第16話

[ ミハエルside]


ユリリン様に書類を 渡す為に 執務室に入るとユリリン様は 居らずに 見知らぬ中級堕天使がいた。

私は 堕天使長、だから知らない中級堕天使は いないハズ……

まっ またか またなのか !



「 ハルルン 、 ユリリン様は 何処に行ったの、それと その二人の中級堕天使は 誰 ? 」


「はい、ミハエル様 ユリリン様は 『遊びに行く』と、言って お出かけになりました

この二人は ユリリン様が 新たにスカウトして、中級堕天使にした『 ウルルン』と『ミルルン』です」


「仕事は どうなっているの ? 」


「はい 人数を増やして貰ったので 最終確認の判子を貰うだけです 」


「 そう それは 良かったわ 」

本当に あの駄邪神は 悪知恵ばかりが 良くまわる。

まぁ 優秀な人材を確保出来ただけ 良しとするか。


「 ユリリン ! 私の仕事、手伝ってぇー ! 」

女神 エリリン様が テポテポ と歩いてきた

その後を 天使長 ルーファスが 付いてきた



「 申し訳ありません

ユリリン様は 仕事を ほぼかたずけて 遊びに 出掛けています 」

私が 言うと、


「 えー ! もう 遊びにいっちゃたのぉ~

だったら 私の仕事を 手伝ってくれてもいいのにぃ~ 」


「だから それは マズイ と 言ったじゃないですかぁ !

本来 敵対しているから 頻繁ひんぱんに会うのも マズイんですよ 」

ルーファスが エリリン様を 諭している


姉も 苦労しているなぁ



[ ユリリンside]


妾は 今、聖国に きている

まさか ミハエル達も 妾がここにいるとはおもわないはずじゃ !


『灯台もと暗し』(恭華に聞いた)とは このことじゃ !


今、この国は 二つの宗教に別れ対立しているのじゃ

前・女神 メッサリーナを いまだに信じる正義教

現・女神 エリリンを信じる友愛教


そのせいで 他の国 や 魔族の国に 侵略出来ずにいる。

恭華が 裏で『 二虎競食にこきょうしょくの計』を仕掛けたと言っていたのじゃ


メッサリーナは 既に消滅していて 変わりに恭華の部下が 女神の振りをして 信託を出しているのじゃ


「 世界征服なんて 世界の広さを知らない馬鹿のすることよ」

と、 恭華が 尊敬する物語の作者が 主人公に 言わせた セリフだということじゃ


だから チャンスにも 関わらず攻め込まないそうじゃ

「下手に攻めると 団結して メンドクサイ」

と 言ってたから 間違いないのじゃ


妾は友愛教会の前にいるのじゃ

幼気な妾が 保護を求めたら助けてくれるのは事前調査 済みなのじゃ


丁度 教会の前で掃除する シスター が いるので、

「 助けて お腹がすいたの 」(妾、会心の演技じゃ )


「 それは それは 大変ですね こちらにいらっしゃい、私達は 貴女を 歓迎しますよ 」

シスターが 手招きをしたので 近づいたのじゃ


エリリンの信者は チョロイのじゃ


妾が シスターの所に行くと

「こちらにいらっしゃい 皆 貴女を まってるわ 」


こんなに歓迎されると悪い気はしないのじゃ

だけど 妾の手をつかんでいるのが 痛いのじゃ


ふと シスターの顔を見ると……………

「 ゲェーー ! きょ 恭華ぁ~ 何故、ここに ? 」


「 ミハエルに 頼まれたのよ

それに ユリリンの行動パターンなんて 知れてるからね」

妾は 必死に 逃げ出そうとしたけど


「 ユリリン、何度も言うけど


大魔王からは 逃げられない ! 」


「ギャァーー 」





結局 邪神ちゃんは 恭華に確保され 天界につれもどされた


邪神ちゃんは 心に誓った


絶対、 下克上してやる !



その誓いが 叶うかは 誰にもわからない(作者にも)

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