第332話 転移局へ
天使達の居住区は、頑丈な扉に守られていて、時折壁に空いた穴や隙間から敵が侵入してきては戦士が倒している。壁が破れては即時塞ぐのを繰り返している感じらしい。また、逆に撃って出るのが困難であり、膠着状態だった。
そして一般の天使を見ていて俺は怒りを覚えた。
危機意識の無い者が多過ぎるのだ。
天使は基本的に遊んで暮らし、年に数日労働義務が有るが、その他の日は自堕落な生活を送る者が多いのだそうだ。羨ましい・・・
オリヴィアは上級天使に成りたいが為に、転移局で頑張っていたそうだ。
大抵の場合、勤勉な者は変人いや変天使扱いされるそうだ。
一応転移局には支配階級が命令を下す為のコンソールが有るそうだ。
本来支配階級が使うコンソールは上級エリアにあり、上級エリアは既に占拠されておら、広大なエリアの為に奪還には時間が掛かるという。
そういえば支配階級が全滅してるって言ってたなあと思い出した。
試しにゲートを出すとワーグナーに繋がった。いや、さっきセレナ達を逃したと試してから思いだした。
俺は天界を救うのを渋った。しかし、オリヴィアが仲間を助けて欲しいと懇願するので仕方なく助ける。愛する妻から懇願されたら、俺は頑張るのさ!
廃退的な種族だった。何が天使だ!と怒っていたが、一応大事な役割を担っていて、その仕組みに組み込まれているらしい。神界から善良な者の魂を新たな命に転生させる為だと。
そしてその転生待ちの魂が下級天使だった。
オリヴィアは一般天使だという。時折例外的に特別な魂が現れ、一般天使になるのだそうだが、その一人がオリヴィアだった。
転生待ちの下級天使を世話するのが一般天使で、世話と言っても俺を怒らせた自堕落な生活を手伝ったり、フォローしたり、場合によっては一緒に暮らしたりだ。また、最後に転生時にハグをしてからバイバイをするのだと訳が分からなかった。
アホらしいが、一応重要な役目らしい。魂の浄化に必要なプロセスなのだと。
何はともあれ早く解決して自堕落な生活を!と転移事務局に向かい出す。
やはり扉を開けるとデーモンやら、蛙のような顔をした奴らと戦闘になる。
魔法に抵抗してくる為、剣で斬り付けざるを得ない。
次から次へと湧いてくるので面倒だった。
しかも中々強く、戦士達がどんどん倒されては俺の所に運ばれて来るので蘇生だ。天界だと死後1時間以内であればヒール程度の負担で蘇生ができる。何故か分かるのだ。ただ、キリがなく、ワーグナーから戦士系に来てもらう。
天使達には討ち漏らしの対応のみにさせた。実力が違い過ぎたからだ。ホーネットは天界と聞くと、興奮して、訳の分からぬ雄叫びを上げながら戦っていた。
魔法が駄目なのでレニスやドラゴニュート達に来て貰った。
徒歩10分位の距離を3時間掛けて進み、陣地を確保する。
元々突如、しかも急激に大量の奴らが現れ、あっという間に天界を蹂躙したという。何とか戦える者が押し返し、居住区を取り戻したと。
そうやっていると、転移事務局の前に辿り着き、奴らが現れる方面の通路は何とか封印した。封印前にしこたまサラマンダーを出して送り込んでおいた。
実はかなりの上級魔法も使えるように成っているが、発動までに時間が掛かり、オリジナルのサラマンダーのように低級魔法を組み合わせで作る方が早くて楽なので、上級魔法は試しに使ってからは使っていない。ただし、替えの効かない今回の転移術だとかは別だ。
転移局の扉は厳重に封印されて開かなかったが、壁に穴が空いていて、塞がれた跡がある。
そこをライトソードで壁の一部と共に切り取る。
そしてそこに俺達のステータスカードを投げ込む。敵と思われたくはないからだ。
そしてオリヴィアと共にその中に入るのであった。
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