第326話 アルヒオーネ大陸を

 アルヒオーネ大陸を実質的に手中に納めたのだが、傷だらけで疲弊しており、どうしようもない状態の国ばかりだった。大陸を手中に収めたと言えば聞こえは良いが、実質的に戦後処理という名の貧乏くじを引いたようなものだ。


 まあ、戦争が絶えなかった大陸だったが、意図せずだが結果的に俺が統一したので当然の事ながら大陸内で戦争はもうない。複数の国があったから国境もあるのだが、それらは即時撤廃だ。国境警備隊は各地の兵に分配し、治安維持をさせる。特に盗賊の取り締まりに力を入れていく事にしたのだ。


 5つの地域に再編し、一時的にアリア達を総督に充てて、後任を育てて貰う。絶対的に為政者が不足していた。何故ならまっ先に処刑や狩り尽くされ、運の良かった者のみが逃げ果せていたに過ぎないのだ。現代で例えると、早期退職制度でベテランがごっそりと辞めていった会社状態だ。残った若者が失われたノウハウの為に苦労する構図と一緒だ。


 各方面から協力を得ており、派遣して貰った人材を色々な城に派遣しようとしていた。

 そして、4つの地区に総督を立てたが、問題は人が居なくなったあの地区だ。


 総督にはアルフレッドを充てる。俺の部下の中で古株であり、信頼している。真面目でちょっとだけ?ひょうきんな奴だが、公明正大にしていき、そつなくこなすだろう。


 そうそう、アルフレッドへ総督をするようにと辞令を出すと妻達の前で泡を吹いて気絶していた。勿論政治に強い補佐は付ける。政治には疎いが、トップが必ずしも政治に精通している必要はない。人望と人を見る目、嘘を見抜く洞察力が必要で、高ランクの冒険者にはその力が備わっている。そうでなければ生き残る事が出来ないからだ。


 滅びた町の1つにはドラゴニュート達が行くという。

 他の町も新規一転等今の地を離れても良い移住者を募る。


 俺にしか出来ない事として奴隷を解放していっている。

 主人無しの奴隷が大量におり、多くの奴隷商も死んでいた。

 殆どは城預かりで下働きをさせていたようだ。


 城に囚われていた者で、犯罪者では無い者は即時解放していく。


 欠損者には欠損修復を行い、町単位で日時を決めて対象者を集めた。

 文字の読み書きが出来なかった者へは、代理の者に案内させ赴いたりして忙しくしていた。元兵士を中心に多かった。識字率を上げなければだ。


 大部分の兵士に街道の拡幅を命じていた。いずれ鉄道を整備する為で、その為の資金は個人的に俺が出している。


 そして今は魔物の残党探索を打ち切ってから3週間位経過していた。滅びた町への移住の準備の為、兵やアルフレッド達を率いて、各地の町へ盗賊やならず者が蔓延っていないのかを点検しに行く事にしたのであった。

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