第322話 早苗さん
真の魔王が魂食いだったとは!と俺は唖然としていたが、先程浄化した時に早苗さんから最後の力で念話があった。
「ありがとうございます!これで人として死ねます。できたら貴方のよき人になり、愛されたかったで・・・」
【で】で途切れた。セレーシャを呼び確認したが、真の魔王は彼女で間違いがなかった。
彼女もまた被害者である。ルシテルと同じだ。いや、すこし違う。早苗さんは召喚された時の硬直時に乗っ取られてしまったのだろう。
バルバロッサが招いた魔王絡みの事件はこれにて終結の運びとなる筈だ。
責を問うべき者が既に死んでおり、実に歯切れの悪い結末となってしまった。
俺は相変わらず詰めが甘い。早苗さんの顔付きと言うか、目付きからあのような激しい残虐性、エロい言動があり得ないから、乗っ取りを考えるべきだった。
彼女が死んだ今は顛末が分からない。彼女から聞き出すしか手がなかったのだ。
彼女との念話から素晴らしい女性なのだと、あの短い会話で好きになっていた。
取り敢えず頭部を拾い、綺麗に拭いてあげてから胴体と頭部に対して各々欠損修復をする事にし、シェルターの中で女性陣を引き連れておこなう事にした。裸体を晒す事に成るからだ。
彼女を生き返らせるつもりだ。万が一が怖いので、予備の体を準備するのだ。頭部からは見事な裸体が現れ、胸を少し大きく変えてあげた。
念の為元の本体も妻達に早苗さんのセクシーというかエロい服を脱がして貰い、胸を切り取り、大きくなるように修復を行った。
乳首の再建は見本があるから大丈夫だ。何が大丈夫かって?俺好みの乳首の色と乳輪の大きさだったよ。
AカップからCカップへと、上品な大きさにしていく。
誰かに言われて大きくしたのだ。誰だったかは思い出せない。
彼女は今は穏やかな死に顔をして横たわっている。
両方の体を裸にさせ、妻達が清楚な服に着替えさせてくれた。彼女にあのセクシーな服は似合わないからだ。
その間に一部の者を残し、それ以外の者はワーグナーに返した。残したのは護衛役とセレナだけだ。
又もやこれから死者蘇生を行うからだ。
シェルターの入り口で早苗さんの体を抱き抱え、いつもの如く左胸を直接掴み、死者蘇生を実行する。どちらの体を使うかは、どちらでも良かった。早苗さんに取り憑いていた淫魔は、早苗さんの体を使って直接セックスはしなかったようだ。ステータスから分かったのだ。
そうすると意識が朦朧としてきたが、心臓の鼓動が再開し始めると何かの幻影を見た気がする。しかし、見始めた0.1秒後には意識を失って行くのであった。いつもの事だ。
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