第293話 制圧

 一本背負いが豪快に決まったが、奴は頭をぶつけた様でピクリとも動かなくなった。

 そうすると次の奴が出てきた。そいつは剣を2本持って歩いてくるので、俺もライトソードを顕現し、アンタレスとの2刀にし、2刀流同士で対峙する事にした。パワーは確かに奴の方が上だったが、スピードと剣技はこちらの方が上だった。段々傷を与えて行き、遂にヘルメットを剥ぎ取ってやった。そうするとやはり醜い化け物の顔が現れたが、俺はとっさに懐に潜り込み、気持ち悪いがそいつの顔に直接触れて、隷属契約を発動してやった。俺に逆らうなと命令したが、やはり無駄だった。当たり前の如く俺に対して敵意剥き出しで向かって来る。やがて苦しみだして当然の如く力尽きた。

 ただ、一つだけ言えるのは、こちらの命令を理解しているという事だ。


 そして問題の3体目だ。

 そいつは先の2匹よりも握り拳1つ背が大きく、体格もその分大きい。おそらくこの1隊を率いているリーダー、もしくは 責任者なのだろう 。

 そいつと斬り結ぶ訳だが、そいつは肩には多数の奴等が装着していたキャノンとはまた違う武器を装着していた。

 先の2体は装着していなかったが、こいつがどういう行動に出るかは謎である。

 暫く切り結ぶと、やはり俺の方が技もスピードも上で、 鍔迫り合いになると俺が力負けし、5m位弾き飛ばされるという事が発生した 。1vs1の戦いを是とするのか、好むのか分からないが、その他の奴は遠巻きで見ているだけで、決して手を出そうとしない。

 俺はこいつらとの戦いにはまだ転移を使っていない。 時間停止もそうだが、切り札というものは簡単に見せるものではないと思っている。

戦っているとスピードで勝る俺はこいつに傷を負わせていく。

 こいつも何かしようとしているのは分かる。何故なのかは、肩に装着した何かにエネルギーをチャージしているのが分かったからだ。

 そしてその瞬間が来た!斬り結んでいる最中にその装置の中央部が光り出したのだ。これはやばい!と思った瞬間に俺はそいつの後ろに転位し、奴の胴体にライトソードを叩き込んだ。

 そして肩に付けた何かから放たれたのはかなり強力な 拡散ビームだったようで、俺の後ろにいた1部の観戦していた奴が避けきれずにそれを浴び、一瞬のうちに蒸発して行った。

 かなり強烈なものであったようだが、もう一度それを使わせる事はさせまいとし、俺はライトソードで刺した後にそいつの首を刎ね、決着した。


 そこからは一方的だった。 先程まで見ていた奴らが一斉に襲い掛かってきたのだ。


 残り15体程いただろうか。

 数で圧倒しようと掛かってきてはいるが、俺の方が圧倒的に強いのは目に見えている。念の為にさっきの相手の体を収納に入れた。奴に装着されている武器を他の奴に使われると厄介であるからで、他にも何か特殊な武器を装着していたら厄介なので、早々に収納した。

 そうして 斬り結んでいる訳だが、俺はちゃんと周りに注意を払いながら戦っている。

 敵わないと悟ったのだろう、誰かが端末を操作し始めたのが分かる。

 その為俺はそいつの後ろに転移して腕を切断し、収納に入れて殴り飛ばしてやった。

 そうして戦っているが不思議と逃げる奴がいない。

 10分程戦っただろうか、 気が付けば生きている奴の気配が無くなった。気配察知にて広範囲の気配を探るもやはり生き物の気配は無い。つまり制圧完了だ。念の為に死体を全て収納に入れて、再度ここを制圧したと確認したのであった。

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