第240話 おっさんは生き返る
俺は夢を見ていた。
妻達との何気ない日常の風景だったような気がする。
意識が混濁していて無性に乳首を吸いたくなった。また赤ちゃん帰りだ。
丁度ナイスバディだが、たおやかであり、清楚な格好をした淑女がいた。まあ夢だし、あの女の胸を揉んでも良いよね!?
俺は一跳ねして女の後ろに回り、お姫様だっこをしてベッドに押し倒した。
軽く抵抗するが、和服の胸をはだけさせ、ついついバブーと言いながら胸にしゃぶりつく。
暫くして口を離し、女を良く見ると古風な感じの美女だった。
「小僧は変わらぬな。今はゆっくり休むのじゃぞ」
そう言い服を整えていた。俺を膝枕していて、頭を撫でてくれていて心地良かった・・・
目が覚めると心配そうにベッドの側に座るおっさんがいた。珍しく和装だ。
「おっさん!どうなっている?」
「うむ。儂も聞きたいくらいじゃのう。ダンジョンで戦っておって、腕が無くなり足も砕けておった筈じゃが?そして死んだと自覚しとるのじゃがな。しかも戦っていたのとは場所も違うのじゃ。で、答えだが主は儂の傍らで気絶しておったぞ。それと飯が出してあったから、遠慮なく頂いたぞ」
「ああ、段々思い出してきたよ。そうだよ。あのなぁ、おっさんは首を刎ねられて死んだんだよ。半日位だと思うがひたすら戦い、漸く魔物が減ったからこのシェルターを出す事が出来たんだよ。その後俺の死者蘇生で生き返らせたんだ。あと腕も生やしといたぞ!それと俺を守ってくれて有難うな」
「大変だったのじゃぞ!それはまあ良い。今の状況だがどう思う?」
「ここはダンジョンだろう?今はこのシェルターで塞いでいるけど、道はこの先にしかないぞ。どの道先に行かないと行けないしな。念話もできないのと魔物は魔石を残して消えるからダンジョンで間違いないだろう。それと、なんでおっさんが女物の着物を着ているんだ?」
「お主のせいじゃよ。儂の服は既に戦闘でボロボロでな。その辺にあったのがこれしかなく、羽織っておるのだが。儂の裸が見たければ脱ぐが?」
「ああ、前に泊まった時に出しっぱなしだったようだな。所で収納は持っていないのか?」
「収納はあるのじゃが、服が入っとらんでな。服は皆あのダンジョンの部屋に置いておったのじゃ」
「武器とか防具は無いのか?」
「うむ。ほぼ置いてきたのう。うはははは」
「うはははじゃないよ。なんで予備武器位入っていないんだよ!一体何を入れてんだよ!?」
おっさんは何故かモジモジしてさらにくねくねしてのの字?を書き始めしゅんとなっている。
俺は強化済みのミスリルの大剣と、予備武器や投擲用の武器、盾、未使用のサイズが変更可能な大型の鎧を収納から何とか探し出し、おっさんが着られそうな服を数着出して渡した。
「服は最後の一着はダンジョンを出る時用のだからな」
そうやってオッサンの装備を整えた。
「すまぬな。有り難く使わせて貰うとするよ」
「そういえばおっさんの種族って何なんだ?あと魔法を使っている所を見た事が無いけど、何が使えるんだ?」
「うむ。この状況だからのう。背中を預ける者の能力を知らぬのは辛いわな。良かろう。儂の身の上から話そうかのう」
飲み物を要求するので収納からグラスを出し、ウォーターでスポーツドリンク風なのを出してやった。
「そうじゃな。まず儂は主と同じ日本人じゃ!」
俺は情けなくへっ?と唸るのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます