第211話 〜ダンジョン6日目
寝起きは絶好調だった。
昨夜の戦闘はシェリーからだったが中々良かったらしい。
寝起きに外に出て体の変化を確認するもよく分からなかった。
食事の後今日の話をする。
51階層は俺がメインで戦う。
60階層のボスは俺とアリゾナ、クレアで戦う。
その段取りで行くとした。
そして打ち合わせの後今日の戦いに向かい出した。
このフロアはオークジェネラルだらけだった。今の俺からすると雑魚だ。足技の一閃で吹き飛ばして倒したり、アンタレスとキングの剣でザクザク行っている。
前よりも格段に身体能力が上がっているのが分かった。絶好調だった。
その後何事もなくボス部屋に着いたが、念の為小休止を挟み、気合を入れてから向かう事にした。
そしてボスとご対面だが、いつものボス部屋だ。そしていつもの様にボスが顕現する。そこでもやはりアイスウォールを展開し、その中にファイヤーウォールを出しまくって待機する。
ボスがグウぉぉぉと咆哮を上げた。俺はファイヤーウォールを出しまくっているから火傷が酷い筈だ。
そうしているとアイスウォールが斬られた。アリゾナが唸っている。クレアも短く悲鳴を上げた。俺の方も何かが飛んできて鎧と剣で弾いた。どうも奴を中心に円を描くように何かを飛ばしたようだ。まあ次元刀だろう。
俺はアイスアローをとにかく撃ちまくり頭上に飛ぶ。クレアとアリゾナが切り結んで注意を反らしている間に俺は、自由落下で奴の脳天にライトソードを突き込んで倒した。やはりお土産を貰ってしまい、俺は左手を切断されていた。
システムメッセージが来た。
「次元刀を奪取しストックしました」
「あれ?ストックという事はもう取得しているな」
つぶやきつつ手をくっつける。
今回のドロップで鎧が揃った。
次元刀のスキルをチェックすると、半径5mの円状の次元の刃を出し相手を切り裂く。一切の物理防御も切り裂く。一日3回が使用限界。刃はくるっと一周するようだ。
かなりえげつないスキルだ。
皆を下がらせて床にアイスウォールで囲った死体を出しまくり、実験をする。俺のも出す。
そして準備ができると次元刀を出し、スパット死体を切り裂いた。死体を集めてボス部屋の出口に置き、サラマンダー10体を出して死体を処分させた。そしてダンジョンの奥深くへ向かわせ、適当に魔物の殲滅をするように命じておいた。
次元刀のスキルはストックに3つあった。
魔石での強化をフレデリカに行い、次元刀のスキルをクレア、アリゾナ、フレデリカに行う事とした。
夕食を食べた後、まずは、アリゾナに付与を行う。問題なく付与を行えた。但し、アリゾナは気絶した。
次がクレアだが、フロ場で行った。
とんでもなかった。2人共心臓が飛び出したのだ。文字通り体を突き破った!
2人共唖然としていたが、まず俺自身に欠損修復を行い、即クレアに行なったが何とか間に合った。クレアは気絶しているので、脱衣場に待機しているカトレア達に託し、フレデリカにチェンジだ。やはり心臓が吹き飛んだが、即時に欠損修復を行ったので無事に?終わったがフレデリカも気絶している。その場で心臓を燃やし尽くして風呂を出る。
今日はアリアとメイベルが一緒に寝る事となった。
まるで双子を相手にしている位に顔が似ている。
色々な事をしたが、疲れが大きいので程々に眠りについた。
翌朝は心地良い目覚めだ。但しここがダンジョンでなければ。
ダンジョン中でいつものというのはおかしな話ではあるが、既に数日間も同じような朝を繰り返しているのだ。
俺はテーブルの上にいつものように食事を出していく。
そしていつものようにダンジョンを進む。
代わり映えのしないダンジョンに皆が辟易としている。
このダンジョンの最下層はおそらく100階層だ。まだ30階層もあるのだ。そりゃあ気が滅入るさ。
そうはいってもサクサクと進み、今は70階層のボス部屋前で休憩中だ。
作戦はいつものようにアイスウォールで囲み、俺が次元刀を試す。無理ならば普通に斬り結ぶだ。最悪の場合は時間停止を使うと告げた。
ただ、次元刀には大きな欠点がある。使用後に数秒間意識が飛ぶのだ。
強力なスキルだが、制約が厳しい。なので俺が次元刀を使ったらアリゾナが俺を援護し、クレアが俺をその場から引き離すようにする。
いよいよ70階のボスだ。
前回の奴の背丈を参考に次元刀を発動して、首を切断するつもりだ。
扉を開けるとやはり同じだ。
アイスウォールを展開し、内部にもアイスウォールを出しまくる。
そして熱湯を注ぎ、転移が終わるのを待つ。
転移が終わると同時に俺は次元刀を発動した。首を切断したと確信した。
「次元刀を奪取しストックしました」
アナウンスが聞こえてきたが、俺は同時に鋭い痛みを覚え、倒れていった。
そして倒れながら信じられない光景を目にした。
ホーリーエンジェルアーマーを着ている者が首チョンパされ、立ったまま血を吹き出しているのだ。
「誰だ奴は?」
そう思うが俺の体は動かないし声も出ない。
その首無しの奴の左腕に握られているのがアンタレスだと気が付き、俺は自分の首が胴体とさよならをしているのだと漸く理解した。
視界が段々暗くなる。
死ぬのかな。そんなふうに感じた。
「いやいやいやいや、幻影だとセリカと致している最中ってのがあったぞ!セリカと致すまでは絶対に死なない筈だ。考えろ俺!」
死に行く最中でもしょうもない俺である。最後の力を振り絞り、考えた結論を行った。
「欠損修復」
そう念じたが、まもなくブラックアウトしたのだ。その直前に思ったのは やっぱりセリカと致すまで死ねるか!と腐った奴だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます