第172話 追撃と終息
意識が覚醒するとフレデリカ達はまだ寝ていた。布団を掛けてやり、頬を撫でるとにこりとしていた。
場面が変わったと言うよりも俺は目覚めた。早朝だったが俺は目が覚めたのだが、既にクロエが目覚めており、横にいて俺の頬をつついていて幸せそうにしていた。何が有るか分からないので、冒険者の装いでお互い寝ていた。
朝食を皆で食べてから軍議に参加している。俺はパーティーを率いて魔物が一番集まっている所に襲撃をする事にした。
魔物の殆どが正門周辺にいる。10万の兵のうち3万は俺が直接指揮をし、2万を正門に控えさせる。残りの半数は他の方向に備えさせる為に1000名の分隊に別け、各所の調査及び殲滅をさせる。
城門の上で出撃を控えている兵士の前で三宝姫が俺に何かの加護を唱えていた。
そう正にアリアに触れた時に見た幻影だ。俺が一軍を率いるのはこれの事だったのだと理解した。
俺は普段の鎧ではなく、バルバロッサでなんとかいう公爵か何かの襲撃を受けた時に着ていた派手な鎧を身に着けていた。ヘルムは同じデザインに変化している。
動くとがちゃがちゃと激しい音が出てしまう以外は、普段愛用している野蛮な鎧よりは防御力が高い位だが、こういった時には見た目からも重宝する。
クロエは俺がこういった時に着用する鎧を持っていた事に驚きと賛辞を述べていた。
勿論三宝姫のうっとりした目もそこにあった。
いつの間にか鎧に名前が付いていた。
ロードオブナイトだった。
流石に分かる人には気が付いて欲しい!誰かいませんかぁ!w38前後から最終までだった。ぼそ。
いつの間にかオリンズとシカゴは俺の護衛を、オリヴィアは相談役をしている。ロトナとドロシーは城での貴族の応対、アリアは兵達に命令を出したり追撃を出す指揮をお願いしている。クロエもその傍らで冒険者に指示をしており、俺への連絡役にセチアがいる。セチアは俺に同行しようとしたが、どうしても誰か一人は連絡役が必要で、クロエとセチアしかいないと愉し、安全な本部に押し込んだ。クロエはギルドの対応があるから実質はセチアにしか出来ない重要な役目で、俺の代わり兵達に命令を出す事も有り得ると伝えている。
そして気が付いたらユリアが何故か俺の傍らに居たのだ。城に置いて来るつもりだったが、察したようで出陣の直前まで俺の視界に入るのを巧妙に避けていて、どさくさに紛れて同行していたのだ。
なので俺はオリヴィアとユリアに挟まれれ、後ろにシカゴとオリンズがいる感じだ。
オリヴィアはなんとダンジョンクリアの関係ではあるが、S級に上がった。S級自体が稀なのに受付嬢もしているイレギュラーな存在だ。
城門を出てすぐに魔物の集団に出くわして、俺が対処できない方向に兵を差し向け、俺が対処する奴らには、アイスアローを多用して駆逐していった。
周辺を探るが、斥候が見つけた魔物の集団は少数に分散している為、ほぼランチェスター全滅方程式に当て嵌める感じの損失で進み、いつの間にか主な集団はなくなっていた。
俺は怪我人を治療して回り、脅威判定を下げる許可を出した。兵を2つに分け、両方向から防壁を一周させてからの帰投を命じ、俺自らはパーティーと共に帰投した。
スタンピードの終息宣言を出し、城門については通常の警備の者を戻し、一ヶ月間の特別警戒をする事とした。少なく共一ヶ月間は城門の警備を倍に増やし、周辺のパトロールを強化する提案を行った。実際は提案ではなく、指示として受け入れられた。どちらかというと、細かい修正や調整が入る程度で、荒唐無稽な事以外はすんなり受け入れられた。
前日の査定で死亡者はスタンピード発生当初に城門近くに居た者が中心で、約1000名の民間人と、戦いに赴いた兵士約1500名と約100人の冒険者だった。
民間人の死者が多いのか少ないのかはよく分からないが、女子供もいると聞かされ、俺は涙を流した。民間人が死んだのは当初の話の為、俺達がダンジョンをクリアした段階で既に24時間を経過していたので、俺の死者蘇生を使ってもどうにもならない。しかも可能なのは一人だけなのである。
兵の見回りの結果小規模な魔物は居るが、20体以上が纏まっている事を見掛けなくなったと報告を受けた。
その為俺はほぼ終息したとみなしていた。
クロエによると、常時依頼で討伐を出すという。
死者の問題は国王側でどうにかするべき案件だが、2日後追悼式を行う事となった。
また今回のスタンピートの対処は依頼扱いとなり、最終的にこうなる。
俺がSSS、オリヴィアがSS、アリゾナがS、ホーネット、シカゴ、オリンズがA
セチアとユリア、アリアがBに認定されるという。
この大陸でSSSは現在2人しかいなくて、俺が3人目と言う。
魔石の換金がダンジョンの分が4500万G、スタンピートの分が1億8千万G。
しかも今日の分は入っていない。
その為、今日の分は王都の復興資金、または死亡者に対する見舞金に充てるようお願いしたのであった。
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