第163話 準備と命名

 先ずは戦闘要員の奴隷達4人の名前を決める必要があったのだが、結論から言うと俺が名前を付けた。3人は俺が命名する事を望んだが、ドラゴニュートは本名を名乗りたがった。だが却下した。いや、せざるを得なかったのだ。


 ゴウ家のカンマだったからだ。俺達日本人からしたら、カンマ・ゴウではなくゴウ・カンマ、つまり強姦魔になるからだ。

 その旨を話し、ユリアも同じ認識だと2人から言われ、涙を浮かべていた。だが、彼が人前で涙を流すのは初めてらしい。かなりの豪胆な奴で、例え拷問しようとも音を上げない奴だが、精神的に今回は涙をしたようだ。


 両腕部欠損者

 オリンズ


 足欠損者

 シカゴ


 獣人

 ホーネット


 ドラゴニュート

 アリゾナ


 このように決めたのだ。


 お姫様、メイドさん達を含む購入奴隷を含め皆を連れて、先ずは冒険者御用達の店に行く。


 そこで冒険者用の服を最低でも2着は持っているようにしたいので、不足分を買う。 


 次に防具店に行き、店にある鎧の中では最上なのをホーネットとアリゾナに買い、メイド達には軽装の皮鎧をチョイスしてフィッティング等々して装備を買い、ダンジョン攻略の準備を進める。


 ダンジョンアタック組に寝間着を購入し、アリア達にも一般の寝間着をを買ったのだが、ダンジョン攻略中に王族用の上等な寝間着は適さないからだ。そもそもダンジョンに寝間着は持っていかない。収納に入るからぬるくなっている。


 テントを3帳購入し、屋敷に戻ってから内部の拡張を行う。手帳に記載が有ったからそういう事が出来るのだと理解していたからだ。



 布団は屋敷で入れ替えを行った関係で、余ったのを持っていく事となり、買い物の後は皆を屋敷に送り込んだ。


 夕食の準備に風呂の準備と忙しく、俺は発注していた食料と言うか、料理を貰いに行っていた。想定5日、長くても10日と考え、それだけあれば十分だろうと思われる量を買い込んでいた。尤も元々というか、バルバロッサにいた頃にせっせと食料を備蓄していたようで、必要ないかもだが、記憶にある状態で兵站を整えたかった。


 まだまだ肉体再生は数に余裕があり、ユリア、アリア、ロトナ、ドロシーに付与を決めている。水着を用意していたので着させて行うのだが、ユリアには更に水魔法を加える。


 ユリア以外の3人は元々魔法が使えるので特に何もしないが、隷属紋は左胸のアンダーバストに行う。クロエと同じ理由で、胸元に奴隷紋が刻まれていると分かると大騒ぎになるからだ。


 奴隷紋と隷属紋は見た目が少し違うが、奴隷商以外には違いは分からないだろう。


 隷属契約は先の国王との話でやって欲しいとなり、当人達も望んだのだ。それも有り、ついでに今やってしまう事とした。


 既にこの4人には深い愛情をお互いに抱いていたのだが、ユリアについては年齢の固定の関係で娶るのは数年は先になるようだ。幻影からは20歳位に見えたからだ。少なく共今ではない。


 食事の準備の傍らシカゴ達と風呂に入り、スキル付与で肉体再生を与えるも特に何も起こらず、あっさり終わったのだ。女性陣に対して行った時は、お互いにかなり酷い事になったし、オリヴィアの時は心臓が止まったから警戒していたのだ。


 夕食の準備が出来たので、食卓に着いていく。メイド達や料理人も全員テーブルに着いたので、挨拶をする事にした。


「皆揃ったね。一部は引っ越しがまだだが、今日からここが我が家だ。これから忙しくなるぞ!俺は既にワーグナーの王権を移譲される事が決まっている。その後カービングの王権も移譲されるみこみで、先ずは2国を統合する。まず友好国だから統合は大丈夫だろう。その後はジャックナイフを併合し、ボレロを落として妻達と合流だ。問題の発生源のバルバロッサ王家を滅ぼし、大陸統一を行う。勿論バルバロッサを滅ぼすのは王族のみだ。また、明日からダンジョン攻略をして、国の安定を図るから宜しく頼む。あのダンジョンから魔物が湧き出ているから一刻も早く対処する必要があるからだ。って訳分からんわな。まあ死なないように頑張ろうって事で宜しく。腹が減ったからまずは食べよう。頂きます」


 皆との食事を始め、新居での初日をスタートさせた。


 食事の後にユリアと三宝姫にスキル付与を行ったが、3人共酷い状況だった。

 脱衣場にオリヴィアとクロエ、セチアに待機して貰い、ユリアからスタートしたが、ユリアは辛うじて歩く事が出来ており、消耗は比較的少なかった。


 ドロシーは気絶し、ロトナとアリアに至っては嘔吐までした。今までに嘔吐はなかった筈で、志郎も狼狽えた位だった。


 今日の所は3人を城に戻し、今日はユリアが添い寝となったが、志郎の消耗も激しく、胸すら触らず程なく寝ていったのだった。

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