第159話 新居とクロエ
ギルドに着いて直ぐにギルドマスターの部屋に行き、俺はクロエを問い詰めたのだが、あっけらかんとしていた。
「あらあら、アリアとロトナ、この国のふた粒の至宝も既に落としたのね。流石ね。アリアにロトナだけではなく、更にドロシーを含めた三宝姫をモノにしているだなんて何をしたのかしら?うふ!」
「やるも何もクロエの仕業なのだという事は分かっているんだよ。それにアリアは分かるが、ロトナにそんなふたつ名は勿体ないぞ!」
そう言うとロトナが口を膨らませて拗ねていたが、かわいいなとときめいてしまった。多分言っても仕方がないので、クロエに屋敷の購入手続きと、屋敷には何時から移るかを相談するのと、遂にギフトの名前が判明した事について報告をする事にした。
大事な話として、応接室に俺とクロエ以外を待機させ、2人きりになるといきなりキスをして切実なお願いと、おねだりをされて、ついつい了解してしまった。
年齢的に待ちたくない。嫌いじゃなければ、今晩約束通り、新居での初日に初夜=刻印の儀式をと艶やかに言われ、我慢出来ずに激しくキスをし、思わず胸を揉みしだいていた。クロエの髪が鼻をこすった為にくしゃみが出て我に返ったので続きは夜となった。
クロエの妖艶さにいつもたじたじな志郎であるが、実はクロエの方がテンパっていて、普段の態度と妖艶な雰囲気とは裏腹にウブである。
ギフトの事は夜の儀式の後で聞きたいとなり、知らずにいたいという。実はもう今晩の事で恥ずかしくてそれどころではないのが真実で、格好を付けて尤もらしく取り繕う辺りいじらしくもある。
周りに話すのも話を聞いた後でとなり、ユリアの事と3人の事、見えた幻影を伝えると、隠さずに国王に伝えるべきとなり、アリアに会談の場を設けるようにお願いをする事とした。
単に今は考えられないので、アリアに押し付けただけだが、志朗は志郎で今晩のクロエとの事で頭がお花畑なので、物凄く有難い助言を得たとクロエの株が益々上がっていたのである。
3人のパワーレベリングの為、初心者ダンジョンに自分達も一緒に入りたいと再度言ってきた。少し前にレベルリセット等をして入る準備をしていたので、俺としては了承したつもりだった。
俺が覚えていないと思ったのか、クロエはオリヴィアもそうだが、初心者ダンジョンにまだ入っていないともう一度言う。
俺とセチアが一緒に入れば問題ないだろうし、ボス部屋も一度に8人まで、しかも経験値は人数には関係ないというので、ただ居るだけでレベルが上がるというのを熱く説明していた。
俺は許可していたつもりだと伝えるとクロエはーロコンで依知
ユリアとアリア達、購入奴隷など、俺の関係者のみで臨時研修を開いてくれる段取りをしてくれており、やはりクロエは頼りになる。
応接室に待機している皆を呼び、アリアに国王との面談をお願いした。それと屋敷のお金の支払いと、所有者変更の手続きが無事に終わり、これで正式に譲渡されたのだ。
今日は解散とし、屋敷には明日移り、2日後に初心者講習を開いてくれる事となった。
イベント満載だった。アリア達3人に聞くと、これで3人は俺の所有物だからこのまま押し倒しても良いとロトナが言うので、デコピンを喰らわせたのだ。
お開きとなり、王女達を送るべく、城で転移ポイントにさせて貰っている場所にゲートを開くと、3人共にポカーンとして驚いていて可愛いなと思い、お別れのキスをしていった。
そう、またやらかしていました。3人共にファーストキスを味気のないものとしてしまっているのだが、3人共にキスをされた事に気が付いていないのが幸いだった。
そのままオリヴィアを伴いアレイ殿の屋敷に戻り、セチア達と合流した。
セチアとメイドさんに教えて貰った寝具店に向かい、新居で使う為の寝具を見繕う。
サイズの合う布団とシーツを急ぎ購入し、セチアのみを伴い新居に行き、セチアを案内した。そして熱いキスをして、幸せにするよと改めて抱きしめた。
そして俺の部屋から一番近い部屋を自分の部屋に選んでいた。セチアの布団は確保しているので、今部屋にあるのと入れ替える。3階の居室の布団は下の階の客間や、一部布団のない部屋、使用人用の部屋、屋敷の別棟の布団と入れ替えても良いと考えた。
以前の住人が使っていた布団だが、俺の恋人にはせめて布団は新品にしたかったが、元々程度が良いので、捨てるのは勿体ないのだ。使用人に回すと、感謝をされる筈だ。
俺の寝室の布団は新品だったので幸い入れ替える必要がないが、かなりの部屋が入れ替え対象だ。
一通り屋敷の中を見て回り、案内し終えるとセチアはうっとりとしていた。
「ランスのお屋敷なのですよね!素敵です。こんなに幸せで良いのでしょうか?」
「うん。俺が生きているのはセチアが蘇生してくれたお陰なんだ。だからセチアは幸せになる権利があるんだよ。明日からこの屋敷での生活になるんだよ。奥様」
顔を赤らめるセチアが愛おしかったので、また抱きしめていた。
2人で風呂を掃除してみたが、流石に広い為に苦労したが、多分2度と俺が掃除する事はないのだろうなとセチアと確認しつつ、2人で一つの事をやりきった満足度は格別だった。
夕方になっていたのでアレイ殿の屋敷に戻ると皆に今後の予定を説明し、俺抜きで夕食を食べて貰った。
俺はクロエとオシャレなレストランで2人きりのディナーだった。クロエが着ているのはセクシーなドレスだが、そこにいるのは清楚な淑女だった。
夕食後に本来登ってはいけない防壁にゲートで行った。誰もいない防壁の上から見る夜景は綺麗だった。綺麗な夜景を2人で見ていて、俺に寄り掛かり寄り添っている、そんな感じで甘い一時を過ごした。先日買っておいたネックレスを出し、改めて結婚を申し込むと涙で目を腫らしたクロエにネックレスを着けてあげた。
泣きじゃくるクロエが本来の姿だった。涙脆いのだ。普段は無理をしているのが分かっていたので、優しく抱きしめた。
「俺の前ではただの女、クロエと言うただのかよわき女で良いのだからね。愛している」
熱いキスをしていると、兵士に気付かれたようなので、慌ててゲートを出して誰もいない新居に駆け込んだ。
一緒に風呂に入り、清めの儀式をせがまれたので丁寧に洗い、お姫様抱っこで寝室に連れていったが、鼓動が早く大人しくしおらしくしていて緊張しているのがよく分かった。
綺麗と言うよりも少女のような可愛らしいレディーだった。
いよいよその時が来たが、改めて真の勇者による刻印を刻むと普通の人生を送れないよと念を押したが、俺と人生を歩む覚悟は既に出来ていると言ってくれた。
それはそれは丁寧にじっくり刻印の儀式を行い、心身共に一つになった満足感に酔いしれながら、眠りに落ちていったのであった。
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