第148話 復活
ふと意識を取り戻すも体が動かない。
いや、そうじゃない!セチアが必死に、しかも涙を流しながら俺を蘇生させようと心臓マッサージを行っているのが分かる。
その傍らではバスタオルを掛けられたオリヴィアが横たわっているが、息をしていないようだ。
上から、そう俯瞰して見ているのだ。
なんて事だ!となり、自分のステータスを見ようと念じるが何も出ない。
5分位だろうか、セチアが俺を蘇生させようと心臓マッサージをしていると、急激に体から離れていた魂だけの俺が、自らの体に飛んで行った。
そして俺が意識を取り戻すと、その苦しさから激しく咳込み、口を押さえて泣いているセチアに何とか聞いた。
「何があった?俺は死んでいたのか?」
「ああよかった!風呂場から叫び声が聞こえたら、ランスが湯船に沈んでいたんです」
どうやらおしっことあれまみれの湯船に俺は沈んでいたようなので、皆にクリーンを掛けた。
オリヴィアは息をしておらず、お互い裸のままだったが、俺は慌ててオリヴィアをお姫様抱っこして部屋まで連れて行き、セチアにサポートをお願いした。
まだ温かいオリヴィアを俺の前に座らせ、バスタオルを剥ぎ取ってその芸術的な胸をしっかりと掴み、その感触に鼓動が感じられない事に焦りを感じた。
「すぐに生き返らせてやるからな!セチアが俺を生き返らせてくれたように、俺がオリヴィアを生き返らせてやる。セチア!愛している。助けてくれてありがとう。気絶すると思うから、後は頼んだ!死者蘇生!」
死者蘇生を唱えると、魔力がごっそり持って行かれて意識を失い掛けるが、段々とオリヴィアの心臓が鼓動を再開し始めた事が分かる。
俺の手にはしっかりとしたドクンドクンという鼓動を感じ、死者蘇生が成功したのだと確信するも、いつもの事ながら直ぐに意識を失った。
ふと気が付くと目の前にあるのはまだ致した事のない知らないパイ乙だった。
誰かに抱き寄せられていて、その胸に顔が埋もれている感じだ。しかし何故か生の乳首が見える。
少しだけペロッとしたけど、ちょっとびくんとなっただけで何も言ってこない。
頭の位置を変えて耳を心臓の辺りに当てて、その鼓動を感じているが、背中にも何かを感じる。
心臓の鼓動の主は鼓動が明らかに速くなっている事から、どうやら起きているようだ。
背中にいるのが誰かは分からないが、寝ぼけた振りをしようと下衆モードを発動した。
寝返りを打って、パイ乙を揉んでみると感触に心当たりがあった。最後に揉んだのがこの感触だ。
「オリヴィア、体は大丈夫か?」
「あら?よく分かりましたね!やはりおっぱいですか?」
図星である。自慢ではないが、俺は触った事のあるパイ乙は、100%誰のだか分かるのだ。
「ねえ君達、俺の事をなんだと思っているの?心臓の鼓動から判ったんだよ?」
「すけこまし」
クロエの声だ。俺の事をそう言うと、俺の頭をその大きな谷間に埋めた。
「ねえランス、貴方大丈夫なの?数分間心臓が止まっていたと言うじゃない。ひとまず私の鼓動を聞いて落ち着いてね」
言っている言葉は理解できるのだが、理屈と意味が不明なんだよな。だが、確かに落ち着くんだよな。オリヴィアは今だにドキドキしているけど、クロエは大人の余裕感?何故か鼓動が平時のそれなんだよね。
暫く2人とイチャイチャしていると、セチアが入ってきて俺を2人から引き剥がし、裸なのに無理矢理立たせて、俺の体をベタベタと触り、異常がない事が分かると安心して俺に服を着させ始めた。
クロエ達も裸のままでそれに加わり、あっという間に俺の着替えが終わってしまった。2人はわざと俺の方を向きながら服を着ている。
「イヤーン!ランスのえっちぃ」
何故かクロエが言うのである。
「本当に大丈夫なの?オリヴィアさんが一度しんじゃって、ランスが死者蘇生を使ったの。そうしたらオリヴィアさんは生き返ったけど、ランスは気絶したのよ。しかもその前はランスの心臓は数分間止まっていたのよ」
俺は状況がよく分からなかった。ただ、手帳には死者蘇生を使うと暫く記憶の混乱があり、死者蘇生を使った事を起きた時には覚えていない。気持ち悪いのと、頭の痛さから、セチアの言う事は本当なのだろうと思うしかない。ただ、先程セチアが心臓マッサージをして、俺の命を救ってくれた事は覚えていた。
「改めて迷惑を掛けたね。セチアが俺を必死に蘇生してくれたおかげで、俺は今生きているし、それがなければオリヴィアも生きてはいまい。セチア愛している」
2人が居るがお構いなしにセチアを抱きしめ、激しく胸を揉みしだきながら熱いキスをして感謝をしていると、扉をノックされ、扉越しに朝食の準備が出来ている旨をメイドさんが伝えてくれたので、はっとなり、身支度をしてから、食堂にむかう。
新入りの6人には今日まではお客様で、明日からそうではないと言って有る。
食堂に入ると皆が既にいた。
「おおランスロット殿、もう体は大丈夫なのか?本当に丈夫なのか?」
「ええお蔭様で大丈夫ですよ!」
そう言うとアレイ殿が安堵していた。
そして何事もないいつもの朝食タイムになり、食べ終わると講習組はそそくさと出掛けて行き、俺は剣術訓練に励むのであった。
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