第147話 夜のスキル付与事故でランスが死亡した

 奴隷商から買い取った欠損奴隷を屋敷に連れてきたが、まずオリヴィアの部屋に連れていった。その場にクレイ殿とタオ殿を呼び、経緯を説明して屋敷を買うまで客室を借りる事にした。


 セチアが購入奴隷に向きあって説明していった。


「この御方は真の勇者のランスロット様で、数日後から最近発生したダンジョンに入ります。ランスロット様は寛容な方ですが、秘密は守ってください。今から欠損を修復して頂けますから感謝をしてください」


 俺に代わって説明をしてくれたので、早速修復を行う。予測通りだが、皆が俺を崇拝の目で見つめていた。それもその筈で、この世界にはそれまでに欠損修復を行えた記録がないのだ。


 気が付くと6人が平伏しており、永遠の忠誠を誓っていたので俺は驚いていた。

 手帳にかなり感謝されていたとはあったが、斜め上だった。


 そして俺は褒められると調子にのるけど出来る子なんだ。

 勢いのまま奴隷契約を変更し、首輪を外すとお祭り騒ぎの状態で、神様呼ばわりだった。


 まずは服を着替えさせて、ちゃんとした服を買いに行く事とした。


 服屋にて全員に普段着3着、靴、下着数組、戦闘要員の2名には冒険者用の服を、残りの4名には屋敷の仕事着を選ばせる。夫婦には暫く子供達の親代わりをお願いした。


 オリヴィアにこの場を任せ、俺は戦闘系の2人を連れて防具を買いに行った。

 武器は収納に沢山有るので買わなくても良いのだが、防具はそうはいかない。サイズがあるからだ。


 2人に遠慮されたが、強めに意見を言った。


「俺は君達を奴隷として扱わないし、奴隷として振る舞う事を望まない。それに俺は奴隷にこそ良い防具を与えるべきだと思うんだ。主人を守るのに死んでしまっては意味がない。生きていてこそ主人を守る盾になるんだ。だから俺の為に妥協せず買ってね。それと君達はボレロにて妻達と合流出来たら解放するつもりだ。今日は1人1000万Gは使えるからその範囲で良い装備を選んでね!」


 そうやって選ばせ、オークション奴隷の分と、残りの4名の革鎧を目測で買っておいた。


 装備を整えてからギルドで落ち合い、6人の冒険者登録を行って明日の初心者講習にねじ込んで貰った。

 因みにオークションの戦闘奴隷は初心者講習受講済み扱いなので、初心者ダンジョンには行けるのだ。


 そうこうしていると暗くなってきたので、オリヴィアもクロエも仕事が終わり、帰る時間だった。なので俺が乗ってきた馬車で帰る事となり、セチアに念話でこれから全員でギルドから帰る旨を伝えた。


 帰るとセチアが上品な服で出迎えてくれて、すっかり元気になっていた。


 まず女性陣を風呂に入れ、俺は男性陣と入り全員小綺麗にしてから食事となった。


 どうもアレイ殿の俺に対する扱いが彼よりも上の格付けのようで、俺は困っていた。

 食事の時にお願いをしておいたのだが、子供達にメイドと執事の仕事を教えて欲しいのと、この夫婦が以前は屋敷勤めをしていたので、自分達が屋敷を手に入れるまで使って欲しいのと、それまでの間だけでも部屋を貸して欲しい旨を伝えた。


 食事の後俺達の部屋に購入奴隷の6人、俺、セチア、オリヴィア、クロエが集まり、今後の事を話す事にした。俺の奴隷というか、隷属者である間の成長補正などを説明していった。


「明日は君達全員、初心者ダンジョンに行く為の資格を得る為に、初心者講習を受けて貰う。初心者ダンジョンは屋敷の要員でも盗賊等から身を守る事の出来る強さになる為だ。その後の本格的なダンジョンは希望者のみだから心配しないでね」


 今日は彼らにと部屋を3部屋貸してもらった。


 夫婦で1室

 兄弟で1室

 戦闘系2人で一室だ。


 食後俺達の部屋にオリヴィアとクロエがスキル付与の為に来ている。

 予めどうなるかを説明してはいるが、一応2人の着替えはセチアにお願いをしている。

 

 今日は小浴場を借りており、先ずはクロエが行うのだが、その前に2人共隷属契約を行う事となった。やはりメリットが大きく希望されたのだ。


 それと今度の初心者ダンジョンに一緒に入るというのだが、その存在を知った時には既にC級冒険者だったので行っていなかったと。その為、一度レベルリセットをする。


 付与するスキルは肉体再生と生活魔法、隠密だ。

 湯船にバスタオルを巻いたクロエが俺の前に座っているのだが、強烈な色気に興奮してしまい、あれが腰に当たってしまっていた。


 少し真面目な話をしていると段々と静まっていったのだが、クロエが俺が元気な事に何も言わないので助かっている。


 まずは左胸のアンダーバストに手を当て、奴隷紋を刻んだ。胸元の開いたドレスを着る事が貴族の娘であるからにはその機会が多いので、いつもの場所では周りに気が付かれるので、アンダーバストに施したのだ。


「はああうううあぁ!ランスを感じるうぅ」


 セクシーに喘ぐので困ったが、クロエの心臓の鼓動はもの凄く早く、緊張しているのが分かる。

 だが、続いてスキルを付与するが、彼女は唸るだけで今までの誰よりも早く失禁と気絶をしていた。

 だが俺は暫くモミモミしていて我に返り、クロエが気絶している事が分かったので、お湯を抜きクリーンを掛けた。そしてその見事な裸体から外れたバスタオルを掛け直して脱衣場にいるセチアに託し、お湯を張り直しに戻っていった。


 用意が出来たので脱衣場に行くと、既に準備が出来ているオリヴィアが裸でいたので、バスタオルを巻いて湯船に浸かった。


 奴隷紋は問題なく、いやちょっとだけ俺が胸の感触に涎が垂れた以外特になかったが、スキル付与で問題が起こった。


 急激に魔力が吸われていき、中断すら出来なかった。


「がああああ」


 俺は叫び声を上げると、ブラックアウトした。

 そう心臓が止まってしまったのだ。

 俺はブラックアウトする前に、自分の心臓が停止した事を理解してしまった。


「あれ?おかしいな?俺このまま死ぬのか?クロエとオリヴィアとまだ致していないのに!それとボレロで如月さんと愛し合っている幻影を見たと手帳に書いてあったのに、まだしてないやん!」


 死ぬ間際までしょうもない事を思いつつ、最後の力を振り絞り胸を揉む腐れ外道というかあほだった。


「死んでしまうとは情けないのう!」


 どこからともなく、不思議な声が聞こえた気がする。


「さようなら・・・・・」


 最後に心で呟いてブラックアウトしたのだった。



 fine?



 終わりませんから…

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