第19話 属性魔法と無詠唱

「まずは火属性から始めよっか

お手本見せるね~

ほいっと」

ルネ師匠は手を前に突き出し軽く掛け声をした

その瞬間、野球のボールくらいの火の玉が出現し少し離れた的に直撃した


「こんな感じだね~

詠唱は自分がイメージしやすい感じでいいよ~」


詠唱かぁ

中二病の頃の “私” をもう一度呼び出せればいけるかなぁ

「燃え盛る火の玉よ 我が敵を燃やせ」

適当に思いついた詠唱を叫びながら手を前に突き出した

すると、バレーボールほどの火の玉が出てきて的に当たった


「お~ 一発成功じゃん凄いね

まさか一発とは思わなかったよ~

それに普通最初からあんな大きさの[ファイヤーボール]だせないよ~」


凄く褒めてもらえるけどそんなすごいことなのかな

あまりよくわからないや


「じゃあ火属性はとりあえずいいかな~

次は水属性やってみよっか

火属性と同じで基本の[ウォーターボール]だね~

ほいっと ほらやってみて~」

師匠はまた軽い掛け声で水の玉を出現させ的に当てた


水かぁ どんな詠唱にしたらいいかな

う~んいいのが思いつかない

一回無詠唱を試してみようかな


水...波打つ水...水の玉...

目を瞑って手を前に突き出しながら水の玉をイメージする


「えっ」

師匠の驚いた声が聞こえた

目を開けると手のひらの向こうには水の玉があった

生成に成功したのか

次は飛ばす事だな

飛んでいけっ


的には当たらなかったが飛ばすことはできた

「ちょっ、なんで無詠唱できてんの?」

「えっと、試してみたらできました」

「すっ すごいね もう一回できる?」


さっきので感覚は大体わかった

多分できるだろう


「えいっ」

水の玉を飛ばす事に成功した

今度は的に当てることもできた


「さっきより早くできてるし命中もした

もう完璧に無詠唱で使えてる

凄いね~ここまでできるとは驚きだよ

今日は詠唱ありの水魔法までできれば

上出来だと思ってたけど

まさかこんなにできるとは思ってなかったよ」

「そんなにすごいですかね」

「いや、普通の子供では一日で無詠唱なんてできないからね?

予定も練り直さなきゃだから

今日はもう終わろっか」

「あっ、はい

ありがとうございました」

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