第116話 進路について考えました
「進路について悩んでる?」
「うん・・・」
僕は翠叔母さんに進路について打ち明けていた。
みんなはああ言ってくれたけど、でも、やっぱり男として、みんなを養っていきたいって気持ちも強いんだ。
向こうでなら、冒険者として稼げたんだろうけど、こっちではなぁ・・・
うう、無力だ・・・
「そうねぇ・・・普通の人生を歩むのであれば、やっぱり大学は出ておいた方が良いでしょうね。そして、その後は会社なり、公務員なりを目指す、ただ・・・」
そこで翠叔母さんは難しい顔をした。
「仮に、瞬ちゃんがみんなを自分の稼ぎで養って行きたいって考えた時、それでは厳しいでしょうね。」
何せ、人数多いからね。
やっぱり難しいかぁ。
しかし、そこで翠叔母さんは僕の頭にポンッと手を置いた。
「でもね瞬ちゃん?あなたがそう考えているように、美嘉さん達だって同じ様にどう生活していくかは考えている筈だわ。だから、一人で悩むことは無いわ。それに、私だっているしね?」
パチン☆とウィンクする翠叔母さん。
・・・そうだね。
僕一人でなんとかしようというのも、やっぱり傲慢なのかもしれない。
みんなに相談しよう!
「ありがとう翠叔母さん!僕、みんなともう一度しっかりと話してみるよ!!」
「ええ、そうした方が良いわ。・・・それよりも瞬ちゃん、私、一つお願いがあるのだけど・・・」
そう言って僕に詰め寄る翠叔母さん。
なんだろう?
「あのね?私、翠叔母さんって言われるのちょっと・・・ね?」
そう言いつつ、ジェミニから貰ったイヤリングを操作して若返る翠叔母さん。
「で、でも、僕にとっては・・・」
「うん!もう!瞬ちゃん?こんな若い姿の私に向かってオバサンは失礼だわ!ちょっとわかって貰わないと、ね。」
「う、うわぁ!?」
翠叔母さんは僕を押し倒した。
ちなみに、今ここにみんなはいない。
みんなは異空間の方の家にいて、僕達は現実世界の方の翠叔母さんの部屋にいる。
「うふ♡瞬ちゃん・・・ほら、ほらぁ・・・ね?翠って・・・呼んでぇ?」
「うひゃ!?だ、だけど・・・ふあっ!?ちょ!?」
舌なめずりをしながら色々な所を触ったり舐めたりする翠叔母さん、そして・・・
「ほら・・・ん♡・・・はぁ♡・・・ね?瞬ちゃん・・・あ♡・・・早くぅ・・・♡」
「み、み、み・・・」
「み・ど・り♡」
「翠・・・さん・・・」
「あはぁ♡なんかそれはそれで興奮するぅ♡」
「うわぁぁぁ!?そ、そんなに腰を・・・みどりさ・・・っ!!!」
「・・・♡」
「で、進路相談していたわけね?」
「・・・うん。」
「だったら、翠さんはなんでこんな風になってるの?」
「う・・・」
「♡」
異空間の部屋に翠さんと一緒に戻ると、みんなが腕を組んで待っていた。
翠さんの状態はというと、上機嫌に僕と腕を組んで、僕の頭に同じ様に頭を傾けて乗せている感じ。
・・・筒抜けだね。
「・・・ママだけズルい!」
「んっふっふ〜♡大人の特権よ〜?」
「む〜!!」
美玖ちゃんが翠さんに噛み付いてるけど、軽くあしらってる翠さん。
「で、進路の話し合いがしたい、と。」
「そうなんだ。僕としては、僕の稼ぎでみんなを養いたかったけど・・・この人数だと・・・情けなくてごめん・・・」
僕がそういうと、みんなは呆れたように、それでいて嬉しそうに微笑んだ。
「そんなの、みんなで働けばいいだけじゃないの。」
「そうですよ瞬さん。それに、実はその件については、美嘉さんとジェミニさんとリリィさんと一緒に考えている事があるのです。」
「へ?どういうの?」
僕達のメンバーの頭脳労働担当(?)が既に話し合っていたらしい。
「良いですか瞬さん?美嘉さん達はすでに、『アナザーワールド』というお店を持っています。で、それを家族経営とする予定です。」
「代表としてはあたし、そして、専属技師としてジェミニ、デザイナーとしてリリィ、モデルとしてクォン、ラピス、いずれは美玖とフォーティもかな、瞬も男性向けのモデルになって貰うつもりよ。」
「そして、それを支える母体として、わたしの『周防』が翠さんと美玲と共に支えます。」
「わたくし達が考えるのは、大学に行く4年間で知名度と実績を更にあげて、卒業と同時に株式会社として上場し、いずれは現在の無店舗経営から、店舗型にもスライドしていけたらと思っていますの。」
「・・・ふぇ〜・・・」
美咲と美嘉、リリィの言葉で驚く。
具体的にかなり詰めているみたいだ。
「勿論、シュンやクォン、ラピスもモデル業だけじゃないわ。採掘なんかもお願いするつもり。あなた達なら体力もあるし、鉱源もあたしやジェミニがわかるしね。」
・・・なるほど。
「あたしも代表としてふんぞり返ってるだけじゃないし、リリィやジェミニも一緒よ?資金を運用や投資で増やすつもりだし、広報や各種手続きもするつもり。そりゃ、シュンとしては思うところもあるでしょうけど、こうすればいつでもみんなで一緒にいられるでしょ?」
・・・そっか、そうだね。
それが一番大事だった。
「と、いうわけで、一応、箔付けにも時間を稼ぐ為にも、大学進学が一番の進路になるね。どう?」
「・・・うん。僕も変なこだわりはやめるよ。適材適所だし、僕達は家族だ。みんなで頑張ろう!」
僕の言葉で、みんな頷く。
僕が一人で稼げたとしても、みんなと一緒に居られなければ意味がない。
それじゃ幸せにはなれない。
大事な事だね。
「さて、そうと決まれば、みんなでご飯食べましょ!そして景気づけにぱ〜っと盛り上がりましょ!!」
おお〜!!・・・って、ん?盛り上がる?
どういう事?
その意味は食事後、就寝時に分かった。
僕から言える事は一つ。
翌日の学校がとても眠かった、とだけ。
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