第10章 悪意との対峙

第115話 年明けの新学期となりました

「今日から学校か・・・もう2年生の最後の学期だ。これを終えれば、受験一色かな。」

「そうだね。でも大丈夫じゃない?あたし達は。」

「そうですね。どうとでもなりますよ?」

「アタシはどうしよっかなぁ〜?」

「いや、そもそもクォンは大学に行けるのか?学力的に。」

「なにさ!ラピだって同んなじようなもんでしょ〜!?」

「まぁ・・・それはそうだが・・・」

「では、わたくしがシュン様と大学に行ったら、ラピスとは別の進路ですね?」

「リリィ!?そ、そんな・・・」

「え〜?アタシだってシューくんと一緒に大学行きたーい。」

「わたしは大学どうしようかな・・・」

「美玖、私はそなたに合わせよう。シュンには家で会えるしな。」

「瞬さんとのキャンパスライフ・・・うっとり♡」

「お嬢様。このような道の真ん中で、卑猥な事を思い浮かべるのはちょっと・・・」

「そんな事考えてません!美玲ったらもう!!」


 今日は年明け最初の登校日。

 今はみんなで通学中。

 とても賑やかだね。

 

 話のメインは今後について。

 そろそろ受験をどうするのか考えないといけない。

 僕は・・・どうしよう?

 出来れば大学には行っておきたいけど、お金がなぁ・・・


「それはどうとでもなるんじゃない?ねぇ、ミカ?」

「ええ、心配いらないわ。あたしの貯蓄でどうとでもなるし。」

「え?なんの事です?」


 心を読んで答えた美嘉とジェミニにみんなが不思議そうにする。

 代表で疑問を口に出した美咲に、美嘉が答えた。


「シュンが大学費用を心配してるのよ。」

「ああ・・・なるほど・・・瞬さん?それは本当に気にしなくて結構です。私が出しても良いですし。」


 ・・・うう・・・それはなんだかヒモみたいで嫌だなぁ・・・


「馬鹿ね。別にそんな事でヒモ扱いしないよ?大丈夫!身体で払ってくれたらそれで良いから。」

「あ、それ良いわね。シュンくん?なんなら私が頑張って稼いで出しあげても良いわよ?シュンくんはどぴゅどぴゅ出してくれたらそれで良いから♡」

「・・・なんだかそれ、ママも張り切ってお金出しそうね、・・・そして、シュンを貪り食らうんだわ・・・」


 美嘉がいい笑顔で何か言ってる。

 そして、それを聞いて目を輝かせるジェミニ。

 朝から下ネタは止めて下さい。

 そんなジェミニを見て、げんなりしながら翠叔母さんをディスる美玖ちゃん。


 うん。

 収拾がつかないね。


「大丈夫だよ。一応父さん達の遺産があるから、大学費用ならなんとかなるよ。」


 だから、僕の身体を狙わないで下さい。


「「無理」」


 無理かぁ・・・そっかぁ・・・


 僕は肩を落として通学するのだった。





 そんなこんなで僕達は学校に到着する。

 年も越し、かなり寒くなって来ている。

 みんな、制服の上にコートを羽織っているね。


 もっとも、僕はコートなんて持ってないから、制服にマフラーだけど。

 多少の寒さには耐性があるし、いざとなったら魔力で耐性を底上げすれば良いだけだし。


「おはよ〜瀬尾くん達。今年もよろしく。」

「瀬尾!桜咲さん達!おはよう!今年もよろしくな!」


 話すようになったクラスメイト達が挨拶してくれたので、僕達も返す。

 かなり、普通に挨拶を交わせるようになったなぁ。


 以前が嘘みたいだ。


 美嘉達も挨拶を返しているね。

 



「みんなおはよう。今年もよろしくな。さて、2年生の最終学期は受験に向けてがメインになる。みんなよく念頭に置いておくように。それでは、ホームルームを始める。」


 担任の先生が日直に号令をかけさせて、ホームルームが始まった。


 受験、かぁ・・・しかし、どうしよ。

 まだ、なんにも決めてないんだよね。

 どうしたものか・・・




 一日の授業を終え、現在は帰宅準備中だ。


 久しぶりの授業は楽しい・・・事は無いけど、それでも学校が始まったなぁって感じ。

 昼食も、いつも通り中庭で食べたんだ。

 人はだいぶ少なくなってたけどね。

 もう、かなり寒いから。


 でも、僕達は魔力でなんとかなってるから大丈夫。

 それに、これは美咲や美玲、美玖ちゃんの訓練に丁度良いんだ。

 意図して魔力を纏わないといけないからね。


 翠叔母さんを含めて、かなり魔力の扱いがスムーズになってきたしね。

 そして、僕もそれは同じだ。

 聖剣に魔力を込めるのが手慣れて来た。


 今までは、技を使う時に主に使ってたけど、それを剣を抜く前からでも普通に出来るようになったんだ。


 フォーティの教え方は上手い。

 流石は元神様だよね。

 フォーティによると、もうすぐ聖剣が覚醒するのではって事だった。


 フォーティと、訓練相手になってくれた美嘉には感謝だ。

 

 僕は色々な人に助けられてるのを実感する。

 ちゃんと、お返ししないとね。


 それにしても・・・進路、どうしよう?

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