16

 それは白いフリフリのパンティーで、そのっ、透けている。


「もうこれで僕の負けだから許して」

 僕は恥ずかしさで少しだけ身をくねらすと、顔が真っ赤になってしまった。

 思わず顔を両手で覆う。


 二人とも黙ってて何も言ってくれないー。

 ううっ……。


「守、凄いなそれ……」

 可憐がじっと見てる。


 うわっ、流石に可憐も引いているー。そうだよなぁ引くよなぁ~。


「ううっ、だから嫌だったのに」

「隆二さんっ?」


 可憐が叫ぶので僕が隆二の方を向くと、隆二は僕から視線を反らしてテッシュで鼻を抑えていた。


 隆二さんの姿に目を丸くして可憐までなんだか顔を赤くして僕を見ないようにしはじめる。

 二人して視線を反らしています。


 いや、そういう反応だともっと恥ずかしくなる。やめて。


「わかった、わかったからもう服着ろ」

 隆二は背中を向けて言った。

「う、うん」

 僕はすぐにトランクスを穿くと、服を着始る。


「うわっ、隆二さん、傷つくーなんでー? あたしのブラより、守のパンティー姿で鼻血出すなんて」


 可憐は絶句した。そりゃそうだろう。女の自分が男の僕に敗北感を感じるなんてことありえない。

 

 あっ。これはまずいかも。


「いや、これは違うっ」

「どこが違うんだよ、そんなあからさまに血出して、ほら、まだ出てるよ」


 可憐は隆二にテッシュ箱ごと差し出した。


「んーなんにしてもさ、お前、そんなん着るなよーちょっとエロすぎだろ、なんだそのパンティー」

「ごめん、慌ててたから昔のお店の奴が残っててつい、こんなに負けるなんて思わなかったから……」

「店? 店ってなんだ?」

 

 僕と隆二の視線が合うと二人で慌て出す。

「違う、これはそのっ、ぼ、僕の意地悪な先輩にパーティの、よ、余興ってことで無理やりプレゼントされたんだけど、着れなかったっ」


 可憐がふぅとため息をつくと、がくっと肩を落とした。


「あーあ。やっぱなぁー弟の方が色気があるのかぁ~」

「いや、そんなことないですよ、可憐さんも十分綺麗です」

「隆二さん、説得力ないよ、取ってつけたように言わなくていいよ、こいつ変な色気昔からあるからさー私がわざとダサい服とか着せてたの」

「そうなんですか?」

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