13
「うるさい」
僕はまたブランケットを肩に掛けた。往生際が悪いよ、どうせ。
恥ずかしい。
僕の恥ずかしい姿を余所に二人は白熱してる。
「じゃ、後はあたしと隆二さんの勝負っ、負けた方が脱ぐんだよ」
「了解」
ところが最後のダイヤの並びで可憐が唸った。
しばらく粘ったけどやはりカードが出せないようだ。
「パス一回」
頭を掻きながら可憐が悔しがる。隆二が不敵な笑みを浮かた。
「パスは三回まで……ですよね」
「くっ……隆二さん、止めんなよ!」
「さーてね」
うわっ珍しいっ、可憐が追い詰められてるっ!
隆二は可憐が置きたがってる所とは別の所にカードを置いた。
「パス二回」
「はいっと」
隆二は4の所にジョーカーを置いて、隣に3を置いた。これで隆二の手元には一枚もガードがなくなった。
「上がりっ」
「うわああああ、負けた負けたぁ!」
可憐が余程悔しいのか足をバタつかせて悔しがる。
僕が早々にパス3回以上出して負けたので、持ってたカードがダイヤが1と2だった。
KINGにカードがあると1に置けるので、順番が1からになる。
そのため可憐は4にカードが置けずにいた。
「じゃ、可憐さん脱いでー」
「くそっ、でもあたしはまだシャツだからね!」
そう言うと可憐もシャツを脱いでタンクトップになった。
「守がアウトだからもう終わりだな」
僕をちらっと見て隆二はカードを集める。
「いや、こいつあと一枚穿いてる」
「えっ」
ぎくり……。
「だろ? 守ー」
「ううん、穿いてないよ、穿いてないっ!」
「ブリーフから微妙に下になんかはみ出して見えるんだよねぇ。何穿いてんだか知らないけど」
うっ、最悪の事態に備えて僕は最後の砦を着てた。
可憐が調子に乗ってブリーフを脱がしにかかった時の保険だ。
「あと最後の一回かな、なんとしても隆二さんのジーンズ脱がしたいのよね~」
可憐が笑みを浮かべ、隆二を挑発する。
「そう簡単に行くかな?」
互いに意地悪そうな顔でにらみ合っていた。
ううっ、僕は小さくなってなるべくブランケットに隠れようとしているのに。
「あーねぇ? 7並べじゃなくて、ポーカーにしない? その方がスリルあるじゃん」
うわっ、出た、可憐のポーカー!
「ポーカー? いいね……」
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