根性と愛情…?
「…燈真かえちゃったなぁ…」
なんだか寂しい。明日はまたとびっきり可愛くして会いに行くんだから…!
「ん?PINEだ。…え、椿…いるの!?!?!」
スマホのロック画面には椿からのメッセージが来ていた。
カーテンをどかして部屋の窓をがらりと開けるとそこには椿に姿があった。
「…!美波……今日のこと、ごめんっ、あれまったく想いのない婚約者で、確かに渡してたけど……だけど向こうのお義母さんに言われて手作り偽装したチョコなの!!なかみ既製品で、外は安っぽい百均なの!」
「はぁ…!?」
「でも!!あんたのために作ったチョコは、自分で作ったの…!料理苦手だけど頑張ったの………わた、じ……ごめ、ん…」
その場にしゃがみ込んでしまった椿。
「……椿っ!!!」
すぐに自室から階段を降りて外へ向かう。
「美波…ごべん…ぐ…うう…」
「ははは、泣かないでよ…。顔やばいんだけど…ははっ、ほら涙拭きな?あとこれ、私からも…食べるの嫌じゃなければ」
「嫌なわけな‘‘い……」
「ありがとう。よかったら椿の家で食べよ!」
「う‘‘ん……だべる……」
手を引く。今の椿はなんだか不細工な猫みたいでかわいい。
「私ね、今年は好きな人にしかチョコ上げないって決めてたんだ。ほかの友達にはクッキーとか!」
「…ぅん」
「まぁ幼馴染には味見程度であげてたんだけどね…」
「今年はもう渡せないかもって…でも椿は私の予想以上のこと、してきてくれた」
「来年も、再来年もおばあちゃんになるまで交換しよう?」
「!……」
あなたが誰と結婚しても私のところに来てくれるなら…
感情を吐き出そうとすると赤ちゃんみたいになる椿と何だかんだ切り替えはできてる美波の話。
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