41話【配信】:次のゲームと引っ越し先の設備②
アンケートで決まったのは三つ目で、戦闘機のゲームは次にやるモノとして決まった。
どれも拮抗した数値で、皆が其々のモノを見たがっていたから、もう全部やろうって事に決めてしまったのだ。主にカミが全部やろうと公言して、リスナーさん達もカミの言葉に思いっきり乗っかってしまったので、今更やらないとは言えなくなってしまった。
雑談がてら、英傑達を最大まで鍛えて最強の武器も取りつつの配信だったので、妙なテンションになったと言わざるおえない。
そんな訳で、父さんが各所に許可を取りに行っている。
もともと、やっても良いと父さんが口約束を貰っているらしいが、ちゃんとした確認手順やら、ゲームを配信する時の注意事項なんかは守らないとダメだ。
「という訳で、次回からやるゲームは決定しましたので、明後日にでも配信する予定です」
「楽しみじゃのう。早くやりたいのう」
まあぁ何時ものカミなんだけど、ちょっとした騒ぎを起こした事を少しは反省してよ。
「所でさ、なんでこの姿なの?」
「何か不満があるのか? 可愛らしいではないか」
「良くない! 普通の恰好で良いでしょう」
「男に戻したではないか。全く細かいのう、注文の多い男は嫌われるぞ?」
「関係ないよね! 普通に誰だってツッコミを入れるでしょう! なんで女装した姿なのさ、おかしいでしょう⁉ もどせ~」
「無理だのう。母上殿がな、なんで女装した悠月ちゃんを使ってくれないのって、血の涙を流さん勢いで迫って来たのだ。しばらくはそのままのであろう」
==アンズさん……アンタはなんてモンを生み出してもうたんや
==さすがです姐さん(サムズアップ)
==やっぱり俺らの姉さんや
「なんで皆は僕の事を援護してくれないで、母さんの事を褒めるの? ダメだよ褒めちゃあ、あの人は絶対に褒められたら調子に乗っちゃうんだから」
『大丈夫よ。全力で良い感じのイラストを作ってあげるからね』
「もう遅いみたいだのう」
僕は気付かなかったが、カミの方はすぐに母さんのコメントを見つけたようだ。
何時から見ていたのか、見ながらお仕事をしていたのかは分からないけど。何で忙しいはずの母さんが僕等の配信にタイムリーな返事をくれるんだろう。
「母さんは忙しい時期でしょう、遊んでないで仕事をしてくださいね」
じゃないと編集さんに怒られるんだからね。
僕が冷たく突き放すように言うと、顔文字でチラ見の絵を載せて一言だけ、
『デザートが欲しいな~』
またチラチラという顔文字と共にコメントが流れて来た。
「はいはい、作って持って行ってあげるから、編集部の人達を困らせちゃあダメだからね」
ちょっと甘やかし過ぎかとも思うが、こうしないと母さんのやる気は維持できない。そうなるとお仕事に支障が出るから、皆が困る……結果、ある程度は甘やかすしかない。
僕が作るお菓子一つで、それらが良い方向に向かうなら安いもんだろう。
==やっぱ何だかんだ甘いよな、悠月きゅん
==そりゃあ悠月キュンだからね
==高スペックだから悠月きゅん
==さすがは私の悠月キュンだよ
一人の発言から、妙な語尾が続いているが、もう放っておこう。
「のう、次やるゲームも協力プレイでやるのだろう? このゲームとどう違うのだ」
「次やるのは、自分でカスタマイズが楽しめるロボットだからね。やってみないと分からないんじゃないかな。ただ、基本的な操作は似てるからすぐに馴染むと思うよ。狙撃系を選ばなければ、だけどね。箱庭内で戦う試合形式でね、ストーリーを進めていく感じだから、常に一緒に動くって訳じゃあないよ。カミが主体で動かしてもらうけどね」
一人でやる場合は強めのAIが勝手に戦ってくれるし、仲間NPCはやられてしまうと、一定時間で自動復活してくれる。
だから二人プレイの方が少し難易度が高く設定されている。
==三人一組だったり、四人だったりするけどね。
==二人協力で始めると、何故かずっと二対複数でやらされる場合が多いんだよな
「知ってる人も居るみたいだけど、カミは初見プレイだからね。ネタバレはNGです。まぁ攻略に関して僕が居るから、詰まったら僕が何とかしますよ」
「なんか我が簡単に進めずに終わるみたいな言い方ではないか?」
「いや、実際に行き詰ると思うよ。クリアーした人も居るけど自力でって人は絶対に少ないと思うな。途中途中でしっかり探索してないと、有利で戦える装備無しの、不利状況からってパターンが何回かあるからね」
==……アレはトラウマよな~
==同じ気持ちをカミ様にも味わって欲しいもんだぜ
==まぁ何も言わなければ、私達と同じ苦悩を味わってくれるはず
「……いま教えてくれても良いのだぞ」
ちょっと皆の反応を見てしまって怖くなったのか、助けを求める様に見てくる。
「ふふ、大丈夫。僕も味わった。仲間外れは良くないよね」
「いやじゃ、絶対に我はカッコ良く攻略してみせるぞ」
「無理ムリ、絶対に泣きを見るからさ。まぁ僕はそんな事はなかったけどね」
半分くらいは嘘だけど、実際に詰まった事は無い。半泣きになりながら、死に物狂いで敵ボスを攻略した。良い思い出の作品だ。
「ストーリーは熱いし、イイ感じだからさ。楽しめるって」
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