009 妻が遺してくれたもの【お題:死別】

「死が二人を分かつまで」


妻を愛すると誓った。

ずっと独りで生きてきた僕にとって妻は希望でありすべてだった。

君がいない世界にいる意味がない。

後を追うと言えばそれは絶対に駄目だ、長生きしろと叱咤された。

そして君は逝ってしまった。僕を置いて。

そんな君が遺してくれたもの。

自立式メイド型ロボット「メイドのメイちゃん」。

どうでもいいが、メイドは冥土にかけてあるらしい。

メイちゃんは一二〇センチの身長で寸胴の身体に、フリルのようなものがついている。

脚の代わりに4つのローラーで自由自在に動く。

しかし段差を上ることが出来ず、すぐにピーピーと呼ばれて助けてやらなくてはならない。

世話をするうち、いつの間にか笑っていた。


(診断メーカーお題:死別)

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