第62話 「安心してください! 」1月

わたしは、翌年度の生徒手帳の写真を撮った。毎年思うのだが、笑ってはいけないし可愛くも撮してくれない。



「なんて、不細工に写ってるんだろ。本当に、写真写り悪いなぁ。やだぁ、この顔」



わたしは、不満げに独り言を呟いていた。すると、後ろで友だちのアミが話しかけられたと思ったようで返事を返してきた。



「ほんとだよ。私も、目の二重が目立たないじゃん。あのカメラマン、下手か」


「ねーー!! 」



と女子二人は、意気投合。プリクラとは、全然出来が違うんだよ。今日の日記に、この不満を書いてみよう。



「今日は、生徒手帳用の写真を撮りました。私は、写真写りが悪いです」



その日記を、朝の会で提出した。午前中はなにも起こらず 過ごしていたのだが、終わりの会が終わったらその事件は起こった。



「起立! 礼! さようなら」



いつものように鞄を背負って帰ろうとすると、担任の深井先生が「待ってください」と言いながら、わたしに向かって走ってきたのだ。



「え? 深井先生、なんなんですか? 」


「あのね。あなたは、写真写りが悪くないです。確認したので、安心してください!! いつもの顔です! 」



みんなが帰りの用意をして静まり返った教室には、深井先生の声が響き渡った。









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わたしの日記が、お父さんに読まれてます @michiseason

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