第11話 ドローンによる調査結果
「それではドローンでの調査で分かったことについて、まずはこちらの資料をご覧ください」
6度目の会議が行われ、まだ、全てのダンジョンを調べたわけではないが、資料によると明らかに弱そうなモンスターが兵庫県洲本市のダンジョンで見つかったらしい。
そのモンスターは粘液状で自衛隊員の間ではスライムと呼ばれている。
知識を発現させた隊員に写真を見せたところ、その名称で間違いないとのこと。
奴の名はスライム。
サイズはゴブリンよりさらに小さく、50cm程で、足で踏みつけると、簡単に崩れてしまった。
彼は既にゴブリンの武器でモンスターを倒し、知識のスキルを発現させていた為、新たなスキルは得られなかったが、他の隊員はまだ、スキルを得ていなかったこもあり、その場にいた全員にスライムを倒させた。
だが、皆一国曹長と同じく、その場ではどんなスキルを得たのかは分からなかった。
その場で分かるスキルと分からないスキルがあるのかもしれない。
しかし、調査終了後、1人の隊員がスキルを発現させた。
水道を利用していた際、手に違和感を感じた彼は、もしやと思い、手に集中し、力を込めた。
すると、手から少量だが水のようなものが出たのだ。
連絡を受け、駆けつけた同僚によると、彼はかなり疲労していたようだ。
「水のようなもの...ですか、今までと違い、やっと目に見えて分かるスキルが発現したということになりますね」
今までは身体強化や知識など、本人でないと確認しにくいスキルであったが、何もないところから水を出されては、もう反論出来ない。
「ダンジョンやスキルなどというフレーズを正式に使わねばならない時が来てしまった...ということでしょうか」
今までの検証でもダンジョンやスキルが現実に現れたと認識するには十分だったが、今回で確定的な証拠を突きだされた気持ちだった。
「総理、国民への説明はどういたしましょう」
「国民への説明は、自衛隊や警察全員にスキルを発現させ、犯罪に対処出来るようなスキルを持つ者がある程度揃ってからです。スキルによる犯罪が起きることは間違いないでしょうし」
治安を維持する為にも、まずは一刻も早く、日本に出現した全てのダンジョンを把握し、一般の立ち入りを禁止しなければならない。
今後の方針が決まったとこで、会議を終了しようとしたところ、突如慌てた様子で会議室に入ってくる議員が1人。
「突然申し訳ございません!今すぐ総理のお耳に入れたいことが!」
彼の慌てぶりから只事ではないことが想像できる。
一体何事だと、彼に注目が集まる中、彼が発した言葉は
「アメリカ大統領がダンジョンやスキルの存在を正式に発表しました!」
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