第13話 気にはなるけど面倒臭い

 ……そう言えばあいつらは一体何を求めてここに来たんだろう?

 確かあの中の誰かはあんな下らない物の為にがどーのこーの言っていた気がする。


 下らない物、と言うには食料や衣類などの人間にとって必需品な物では無い筈。



 現金や宝石など金銭的価値のある物?

 確かに今のこの世界では必要の無い下らない物だ。


 教科書や参考書とかの知識的な要素を含んでいる物?

 下らないかは人によるとは思うが、絶対に必要な物とも言い切れない。


 漫画やゲームなどの娯楽的要素?

 ……遠藤じゃあるまいし。



 んーなんだろーなー気になるなー

 探究心とかの感情消えた筈なのに気になるなー

 でもなんだろーなー

 これ、ちゃんと調べとかないと色々面倒なことになりそうな気がするだよねー



 ほら、あれだよ。

 僕のゾンニート活動を阻害するような何か。

 主人公的人間が僕達を駆逐したり、人類が僕達のみに効く特効薬を開発して一網打尽とか。



 ……まぁそんなことあるわけが無いか~

 主人公的人間の登場はともかく、僕達に効く特効薬を作れる研究者とかもう絶対居ないって。

 居たとしてもほんの一握りだと思う。


 だってあれじゃん。

 僕達の根元となったオリジナルは間違いなくその手の場所から発生してる筈だし。

 そこから僕達が増えていったと考える方が妥当だと思うんだよね。


 初めの一体が他の人に噛みついて他の二体目を作り出して、そっから三体目四体目とドンドン増えていくみたいな感じ。


 最も別に僕達の起源なんてどーでもいいんだけど。

 そんなの知ったところで僕の活動に影響は無いし。


 だからとにかく拓也ー

 早く出てこーい。

 ここに居るのかどうかすら分かってないけど出てこーい。



 僕はそんなことを考えながら二階をフラフラと徘徊し続けていった。

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