誕生日デートってやつか



 セクモンこと元カノのみしろと、俺は家にいる。


「夕月ちゃんですね、そろそろ誕生日ですよ」

「誕生日……」

「はい。10月31日」

「もうすぐじゃねえか……」


 文化祭があったのが、10月の末だ。

 それがおわって、数日後に夕月の誕生日があるあらしい。


「そこで、夕月ちゃんにプレゼントを買ってあげましょう。ついでにいろいろ見て回るんです」

「なるほど……誕生日デートってやつか」


 そうですそうです、とみしろがうなずく。


「多分それでわかるんじゃあないかと」

「なにが?」

「夕月ちゃんのいろいろなことです」


 なんだかふわっとしててようわからんな……。


「そのデートで、気持ちを確かめましょう。そこで、選ぶんです。夕月ちゃんにするか、それ以外にするかって」

「…………」


 たしかに、けじめというか、一区切りはつけないといけない。

 みしろが言う通り、夕月か、四葉かで。


「あ、もちろんみしろとよりを戻すでもOKですよ」

「それはない」

「即答!?」

「当たり前だろ。俺はセクモンと付き合うきはない。せいぜいが性奴隷扱いだな」

「ああぁん♡」


 びくんびくん、とみしろが体を痙攣させた。


「りょうたくんにひどいこと言われて……いっちゃいましたぁ~♡」

「きめえ……」

「ひゃぁああん!」


 ……純粋にきもかった。

 なんなんだこいつ……。


 俺、こいつのどこが好きだったんだろうか……。

 まじでわからん。


「まあ、助言はありがたく受け取っとくよ。教えてくれてさんきゅーな」

「いえ……♡ と、ところで……その、教えてあげたごほうびを……」

「うるせえ、さっさと帰れ痴女」

「ああああん♡ ごほうびありがとうごじゃいまひゅう……♡」


 この女はこうして乱暴にされると喜ぶのだ。

 だから、望むとおりにしてやったけど、端から見ればたんなるヤリチンの屑だよな……。


 え……?

 お、俺……ヤリチンの屑、じゃないよな?


 たしかに、女を複数人キープして、やりたいときにやって、無遠慮になかだしして、女に情報をみつがせたあとに帰れって……。


 あ、あれ……?

 そこだけ抜き出すと、単なる屑にきこえる。

 なん……だと……?

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