リスカしたっていいじゃない

作者 水原夜月

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★★★ Excellent!!!

先生が担当クラスの男子生徒のリストカットに気づく。その行為をやめさせるべく、生徒に働きかけを始める。
読み始めた時点では、「うん、そうだよな」と何となく思ってしまいます。
けれど、男子生徒の行為は誰にも迷惑をかけていない。そして、その行為が彼にとっては寧ろ心地よいものだとしたら。
そのリストカットは「改めるべき行為」なのかどうか。力尽くでやめさせなければいけない行為なのか。
読み終える時には、読み手はおそらく誰もが首を傾げているはずです。

リスカはうっかりすると命の危険も想起させる行為ですが、これを「よくない行為」だと決めつけて無理やりやめさせることが、果たして正しい判断なのかどうか。
日常に溢れている「正しい、良くない」という判断の不確かさを改めて考えさせられる、深く鋭いメッセージのこもった作品です。