第2話
雨…、雨…、降れ…、降れ…、かぁさんが……。
ダメだ、どうしても悲しくなる。
現在の私は悲壮と不安の間に位置している。
だから感情も不安定だし、脳がまともに機能していない気がする。
別にこの歌が好きな訳ではないが、気分が沈むとつい口ずさみたくなる。
雨はとうに止んだというのに。
でも余計に悲しくなる。
いつからか、私の心にはいつまでも止まない雨がある。
心は不思議だ。
心理的な感情は視界に映る情景と同調するものとばかり思っていたが、どうやらそうでもないらしい。
私が目にするものとは別のものを心は映す。
心という名の不可解。
誰かその謎を解いて、全世界に発信してくれればいいのに。
そうしたら……、救われるのにな。
行き場のない想いが暴発する。
私は水溜まりを思いっきり蹴ってみる。
当然の如く飛沫が跳ね、泥が顔を汚す。
あ、やっぱりダメなんだ。
分かっていたけど、いざそれが現実に帰ると虚しいものがある。
ああ、もう全部嫌だ。
もしもし雨よ、教えてください。
私はこの先どうすればいいのでしょうか。
聞こえますか。
聞こえていたらお返事くださいな。
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唐突にスマホの通知音が鳴る。
興味はないが、一応手に取ってみる。
画面の先には空白の中心に文字の羅列が一行。
『俳優の
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