ベトナムの切手
ベトナムに3回ほど行ったが、一番のお気に入りのお土産は「花の切手」だ。別になにも特別でもない。ベトナムでしか通用しない花柄の切手を適当にあつめて板に挟み込まれている、ちょっとしたお土産品だ。切手をシートで買っても良かったのだが、それはまた今度行った時だろう。
どれもよく分からない南国の花が描かれているのだが、日本だと桜や梅になるのだろう。たまーに花屋とかで見かける南国の花っぽいのも描かれている。
ベトナムは、大阪くらい暑く、汗も止まらないが、不思議と夜は涼しくなる。ホーチミンは川が多く、海からの風もわりかし冷えているからかもしれない。
ベトナムのスコールは突然やって来て、眼鏡がくもるほど湿気が高まり、そして湿気は消えていく。今度は灼熱になるのだ。
ベトナムの思い出であるのは、日本人女性との出会いだ。なんか夜にベトナムのバーの屋上で一人飲んでいたら、インド人女性から話しかけられて、英語が話せないのでうまくコミュニケーションできなかったら、今度は日本人女性二人が話しかけてきて、そのままクラブに行ったのだ。
そのとき、「あ、大麻のにおい~」と女性二人が大麻犬のように喋っていたのが何よりも思い出である。しかも女性二人が泊まっているホテルまで呼び出された。でも3Pなんかできるはずもなく、僕はなにもせずに帰った。自分がわりと屈強な身体の人だったり、僕が白人や黒人などであったのならば、いろいろと違っていたと思う(偏見)。好きな人ならOKな人と、誰でもOKな人で、自分は誰でもな感じだと(若い頃は性欲も多いし)思っていたのが、そうでもないというのが、このベトナムで出会った日本人女性二人によって分かったのだった。
こうした一期一会は、ベトナムでは一回しか無かった。あんな夜中に、女性が出歩けるというのは、ホーチミンはよっぽど安全なのだろう。警察が各街角ごとに座っているくらいめちゃくちゃ多いので治安が維持されているのか。それはよく分からない。
「花の切手」はホーチミンの郵便局で買った。自分のパソコンの隣りに飾っていて、疲れた時、その切手のお土産を手に取って眺めたりする。そして眺める度に思い出す。
俺がマッチョでヤリチンだったら、ホテルの部屋まで入って何もせずに喋ってさっさと帰るなんてことしなかったやろなぁということを。
切手を観る度に思い出す。
我ながら、イヤな疲労回復手段である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます