その名はオブリビオン(後編) 1
ミクリの携帯端末へ届いたメール。
"カレンさんを保護している。芦ノ湖で待つ。"
ミクリは驚愕しつつも困惑します。
「芦ノ湖……? 箱根か! って、お嬢様が連れ去れた先は富士樹海じゃないの? っていうか誰だか知らないけど、何なのこいつ!」
すぐに返信の文章を打ち込む。
「だ・め・だ! お・ま・え・が・さ・が・み・こ・ま・で・来・い! っと、送信!!」
しばらくして再びメールが届きました。
"相模湖だと!? 何故そんな所にいる!? こちらは分け合って動けない。そちらから迎えに来て欲しい。"
「はあ!? お前を信じる道理がどこにあるんだ! 罠かもしれん! まずは電話して来い非常識野郎! っと、送信!」
"貴方にだけは非常識と言われたくない! こちらはカレンさんを引き渡す気がある。とにかく来て欲しい"
「論点をずらすな! 私は電話して来いと言っている。送信!」
"論点をずらしているのは貴方の方だ。私は最初からカレンさんを引き渡すから来て欲しいという事しか言っていない"
さらにメールがもう1通届きました。
"もう! つべこべ言ってないで早くおむかえに来てよ! カレン"
「お嬢様!? え、じゃあ本当に保護されたっていうの?」
ミクリの額からドバドバと変な汗が流れでます。
「だとしたら結構失礼な態度をとっていたかもしれない……私。で、でもとにかく行くしかない」
"お世話になっております。この度は大変申し訳ございません。すぐにお迎えに上がります。30分程お待ちください。ミクリ"
そう返信すると、手元に出現させた箒に跨りすぐに飛び立つのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます