7歳 貴族学校入学前④
娯楽と言ったら温泉である。
代官たちに温泉を発掘すると宣言。
「心が動くと体が動く! 人生で最もすばらしい癒し、それが温泉!」
であると熱く呟く!ディーがくすくすと横で笑っている。
「リゼルの言うとおりよね、温泉に入ればリラックスできるしね。お湯の中でおしゃべりをするのはストレス発散になるもん。さすが温泉卿ね」
役人たちが村の地図を持ってきて、温泉を掘る場所の選定を始める。私とリードはフォークや代官に温泉施設の建築に関するアイデアを出していく。魔改造されたクリムロード温泉…その良い部分だけを抽出した施設を作ろうとリードは言う…私は後悔はしていない!リードがフォローしてくれないと温泉に関しては妥協をしない私はどこまでも暴走をすることを皆は知っている…温泉とサウナと水風呂だけになることが決まった…無念である。
私とディーとリードとロンザ。長年行動を一緒にしている温泉発掘のエキスパート集団である。ディーたちは日々の訓練のおかげか、魔法と精霊魔法、疑似混合魔法のようなことを3人でできるようになっている。その結果、訓練と称してクリムロード領都は第2温泉、第3温泉浴場が出来上がっている(掘る深さを変えて、違う泉質の温泉のため温泉好きにはたまらない仕様である)
場所を選定しその場に向かう。村民たちが何事があるのかと後を追ってくる、あまりの人の多さに兵士たちが駆り出される。
申し訳ない気持ちにはなるが温泉に関しては私は妥協はしない。発掘場所に到着をし、兵士たちは危険だからと人々を離れた場所に誘導させる。
「みんな、やるよ!!!」
「おー!!!」
号令と共に、一気に魔法で掘り進める。物凄い音で地面を掘り進めるためか、初めて見るフォークや役人たち、村人たちから驚嘆の声があがる。その光景にも慣れきっているエキスパート集団は魔力を集中させ一気に温泉が出る層まで掘り終える。
「今回は過去最高に早かったわね」
「温泉層まで浅かったんだと思うよ」
「マナ切れそう…」
「ここの効能が気になります」
温泉が湧き上がるのを見て、村民から歓声の声が上がる。
「賢者様の魔法を生で見れた…」「この村に温泉が…」「温泉卿万歳!」「ディー様お美しい」「リゼル様可愛い…」
その場で温泉施設の建設の指示をし、見張りの兵士を残し代官屋敷へと一旦戻る。
次に取り組むのは農地の開拓。温泉発掘で培った我々エキスパート集団にかかれば荒れ地を農地へすることは用意だ。
人手がいるので、役人たちに手が空いている村人たちへの協力を依頼する。
開梱予定の荒れ地の場所へ到着する。何事が起こるのかと村人達に温泉発掘からついてきた人々が説明をしている。
「リードとロンザは水が出るように地面を掘り進めて溜池を作って。ディーは私を手伝って。」
最初に”シルフ”に手伝ってもらい、魔法を併用し雑草や低木を刈っていく。
次に”ノーム”に手伝ってもらい、土を掘り返していく。
最後に”サラマンダー”に手伝ってもらい、焼畑をする。
魔力が許す限り開墾を進めていく、村人は驚嘆をあげながらも私達のあとを整備し始める。
二時間ほどでかなりの耕作予定地が完成した。ここからは村人たちの仕事だ。しかし、まだまだ村のことを考えると耕作予定地を広げなければならない。学校へ入学したら定期的に来ようと心に誓う。
代官屋敷へと再び戻り、今後の予定を説明してもらい事業計画の上方修正を組み直すよう指示をだす。フォークや役人たちからは、魔法を使った開墾は王国の農業改革に繋がりますと閣下へ報告すると伝えられた。どうやら、この世界は魔法を戦闘にしか使ってないようだ、魔法使いの数から考えても仕方がないのかもしれないがイノベーションと魔法使いの雇用創出は発展のために重要だ。閣下に頑張ってもらおう…不夜城…官僚の皆さん…ごめんなさい
「リゼル、疲れたからそろそろ屋敷に戻ろうよ〜」
どうやらディーはお腹がすいてきたようだ。リードとロンザにも疲労がみえる。
次に来るタイミングを代官に伝えて、王都の屋敷へ戻る。
「視察に来て正解だったな…やることがいっぱいだ」
帰路、ボソリと独り言をつぶやいた。
”私の物語に精霊開墾が加わる”
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