第82話 高校とバカと下着泥棒と②
◆
あの後しっかりと相川に話を聞くとこの頃男子生徒の下着が盗まれているという事が分かった。
そもそもどうして男子の下着が学校内にあるかというと運動部の部室には自分達の下着を洗い部室内で干すという習慣があるという、その時にある日男子生徒の下着がなくなっている事に気付き、そこから1つまた1つと下着が盗まれる様になったと言う。
「そんな事が……完全に女生徒の下着が盗まれていると勘違いしていました」
「いや、良いんだ、それよりも………」
と相川が言葉を止めて村上の方に視線を向けた。
「だから言っただろ、俺はやってないって!濡れ衣を着せやがって!……これはどうしてくれるのかなぁ〜前田達〜!」
村上は自分が有利に立てていると思いでかい態度を取り慎二達にそう言って来た、だが慎二達は……
「何を言ってるの村上君?さっき色々と君の罪が出たよね、そんな君を野放しにするわけ無いでしょ?」
そう伝えた。
「あれ?俺はピンチだったりして?」
村上が雲行きが怪しい事を察知していると由紀からダメ押しをくらってしまった。
「そうなるね、村上君、君を探す時あの場にいた女子に聞いたんだけど、君、視姦もしていた様だね……」
そう慎二と由紀に言われて村上は項垂れてしまった。
「俺は終わりなのか……なんかこの頃俺が「ロリコン」とか変な情報が回って女子意外にも男子にも先生にも変な目で見られるし………」
そんな村上を少し可哀想に思った慎二はある提案をした。
「村上君、人の信用を無くすのは簡単だけど、取り戻すのは時間がかかる……そんな中君はこの状況を挽回したいと思ってる?」
慎二がそう聞くと。
「この状況を覆せるならなんだってやる……何かあるのか?」
挽回出来る事など出来るのかと聞いてきた。
「ある、今回の下着泥棒の件を僕達「ヒポット部」に村上君が臨時の部員として入って一緒にこの事件を解決するんだよ」
まあ、可哀想ってのもあるけど「ロリコン」の件は僕が広めた事でもあるからね……
村上は慎二のその話を聞くと少しも迷う事なく真剣な目をして慎二に向き直った。
「やる、やってやるよ!」
「やるのは良いけど……これからは今までみたいな他の女生徒に迷惑をかける行為もしちゃ駄目だからね?」
「わかってるってわ!そんな事やったらお前らの評判も下がるだろうが、俺はバカだがそれぐらいは配慮するわ!」
村上は今までが嘘かの様に真っ直ぐな瞳を慎二達に向けて来た。
「わかった、君を信じるよ村上君、今から君は臨時の部員で僕達の仲間だ!」
慎二達は話がついたので、これからの下着泥棒について村上を入れて話し合う事にした。
「相川先輩、その下着泥棒の件は僕達が受け持ちます、解決した時は連絡しますね」
「ありがとう!君達に任せるよ、何か手伝いとか欲しかったら言ってくれ」
「わかりました」
「じゃあ、僕はバスケ部に戻るね」
相川はそう言うと部室を出て行ってしまった。
相川が部室から出て行くのを見送ったら、服部に何か情報が無いか聞いてみる事にした。
「ハトケン、ここ最近男子生徒の下着が盗まれる事件って他にも起きてる?」
慎二がそう聞くと、さっきから調べていたのか直ぐに返事を返してくれた。
「あるよ、旧校舎では起きていないみたいだけど、新校舎の1階にある男子サッカー部の部室の下着が何枚も盗まれている様だね、盗んだ人は誰も見ていない様だけど」
服部は慎二にそう話してくれた。
(でもやっぱり狙われたのは男子生徒の下着か……「真実の目」で探しても良いけど、頻繁に使うのはちょっとね、先ずは出来る事をやって無理そうだったら「真実の目」の出番だね)
頭の中で今後行う事を纏めた慎二は皆にこれから行う事を話した。
「今日はもう時間も遅いから明日まずは聞き込みから始めよう、ハトケンはそのまま単独で色々調べてくれ」
「わかった、単独の方が動きやすいからね任された」
慎二に言われた服部は一つ返事で了承してくれた。
「村上君も明日からは放課後この部室に集まってね」
「ああ、俺の出来る事を手伝うよ」
そう言い話し合いを慎二達は終えて今日は帰路に着いた。
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