第39話 高校とバカと偶然と
◆
今はようやく解放されたが今度生徒会長以外と埋め合わせをする事になってしまった。
「ただ綾杉生徒会長に昔の事を思い出した事を伝えに行っただけなのに…なんかどっと疲れたなぁ〜……こんな日は早く帰って寝るかな……あっ、今日の夜ご飯何も買ってないや、帰りにスーパーでも寄ってくかな」
早く帰ろうと思っていた慎二だが家の冷蔵庫に何も入っていない事を思い出して帰り道にあるスーパーに寄る事にした。
本当は商店街でも良かったが、そうなると反対側にわざわざ行く事になってしまう為、今日は通り道にあるスーパーにした。
いきなりだけど皆は料理をするだろうか?僕はする、ほとんど1人暮らしだったから料理が出来ないとその日のご飯すらままならなかったからね、なんでこんな話をするかというと1人暮らしだとどうしても料理を作る機会が減ってしまうという事だ。
皆も思わない?自分の分だけだったらコンビニ弁当や冷凍食品、カップラーメンで済ましちゃった方が楽だと。
その中でも僕はお手軽に作れるカップラーメンを重宝している、人それぞれ好みは変わると思うけど、僕はカップラーメンは人類の叡智と言っても過言じゃ無いと思ってるよ!(※過言です)
だってさ考えてもみてよ?カップラーメンはお湯を用意して3分〜5分ほど待てば出来上がりだよ?中には体に悪いや不健康になる元とか言う人が多いと思う、でもたまになら良いと思うんだ。
そんな下らない事を考えながら歩いていたらいつものスーパーに着いたので必要な物やストック用のカップラーメンを何個か買って帰路についた。
「まだ5月なのにもう暑いよ……やっぱり地球温暖化って進んでいるんだなぁ〜」
そんな事を考えていたら前に歩いていた女性が少しおぼつかない歩き方をしているのが気になった。
「あれ、なんか前に歩いている人ふらふらしてない?ちょっ!今体傾いてたよ!助けに行かなくちゃ、もしかしてこんな暑いから熱中症だったりして!」
女性の元まで走っていって大丈夫か確認を取る事にした。
「あの!そこの女性の方大丈夫ですか?後から見ていたらふらふらしているように見えたので熱中症とかになっていないか気になってしまって」
その女性は慎二の声に気づいたのか後ろを振り向いてくれた。
「わざわざごめんなさいね、でも大丈夫よ?ちょっとふらっとしたけど熱中症とかじゃないみたいなの」
「そうですか、なら良かったです!帰り道は気をつけて下さいね!」
なんだ、特に熱中症とかじゃなくて良かったよ。
問題なさそうだから慎二も暑いし早く帰るかと思っていたら。
「あれ?貴方もしかして桜田高校の生徒かしら?確か……1年生に君みたいな子がいた様な……」
慎二の顔を見るとそんな事を聞いてきた。
僕みたいな生徒がどんな人か知らないけど、桜田高校の生徒で合っている。
慎二はその言葉が気になったので良くその女性を確認してみたら……失礼かもしれないがある先生の名前が頭の中に浮かんだ、着ているカーディガンを押し上げるほどのお胸様に目がいってしまったが勿論直ぐに目を逸らしたが。
「………もしかして今年新しく来た由比ヶ浜先生ですか?」
「よく分かったね?それとここは学校じゃ無いんだから先生はつけなくて大丈夫だよ?」
名前が当たっていたのは良いんだけど、胸で判断したなんて口が裂けても言えない……
「わかりました、いや〜僕の「F」クラスでもクラスメイト達が「可愛くて魅力的な先生が来た」って言ってたので顔を見たら直ぐにわかりましたよ!」
こう言っとけば多分大丈夫でしょ、うちのバカ達がそう言ってたのは本当だし。
「もう、可愛いなんてお世辞が上手いんだから!……君1年「F」クラスって事はもしかして……前田慎二君?」
げっ、なんでバレてるのさ、僕そんなに変な事してないはずだけど……それにお世辞は別に言ってないんだけどな。
「ああ、ごめんほらレクリエーションの時に凄い活躍していて名前も紹介されていたじゃない?その時に顔もチラッと見たから、「前田君かなぁ」と思ってね、でもその反応だと合ってたのかな?」
「まあ、僕が前田ですけど……」
「良かった〜違かったらどうしようかと思っちゃったよ、でも前田君と話せて良かったな、話してみたいとも思っていたし、それに知らないかもしれないけど職員室内でも前田君の話題が持ちきりなのよ?」
なんと!僕の話、職員室でなんて話されてるんだろう?
「その、僕の話題ってどんな事が話されてるんですか?なんか気になっちゃって」
「うーん……色々話されてるけど、1番多いのが………「実力テスト0点」の子がこんなに運動が出来たなんてって…々事かな?」
おおーい!そんな事で話題になんてなりたく無かったわ!もう皆忘れてよ!
なにか話題を変えないと……そう思っていたら「部活」の「顧問」の件今が聞くチャンスじゃ無い?
「由比ヶ浜さんその話はもう良いのですが、ちょっと学校の事でお話ししたい事があるんですが……今聞いても良いですか?」
「ごめんね自分だけで盛り上がっちゃって!うん?学校の事で何か悩みごとかな?それだったらここで立ち話をしていても暑いだけだから私の家で話さない?ここから近いから良いかなと思ったんだけど、どう?」
………いくら生徒と先生同士でもいきなり家にあげるのは無防備過ぎないかな?
「由比ヶ浜さんそれは嬉しい提案なんですが、流石に今日話したばかりの男性を家にあげるのはちょっと、気をつけた方が良いですよ?」
「ふふっ、そんな事を言う前田君が何かをする子だと思わないんだよねぇ、それに私だって誰かれ構わず自分の家になんてあげないよ?私ねこんな大きな胸してるじゃない?だから結構視線に敏感なの、他の男性だとね必ず私をいやらしい目で見てくるけどそんな中、前田君は私の胸を見ても直ぐ目を逸らすだけで特に邪な事を考える事をしていなかったの、女性って結構視線に敏感なんだよ?」
なんだと!?バレていたのか……そりゃあ先生の胸を邪な目で見てなかったけど。
「そうだったんですね、でも僕も由比ヶ浜さんの胸を見てしまったのは黙っていましたよ?他の男性とは同罪なのでは?」
「前田君は全然違うよ、だってそんな事を言う子が悪い子な訳ないじゃない?」
「まあ、由比ヶ浜さんがそれで良いなら僕はもう何も言いませんよ」
一応先生も警戒心は持ってるみたいだからこれ以上言っても今が無いみたいだね。
「よし、話が纏まったなら私の家に行こう!」
そんな事を言い楽しそうに自分の家を慎二に案内するのだった。
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