第38話 高校とバカと生徒会長と

 



 生徒会の仕事が終わった後、綾杉生徒会長だけに「この後お話があります」と生徒会室に待ってもらう事にした。


「それで、慎二君、私に何か言いたい事があるみたいだけどどうしたの?」


 そんな事を慎二に綾杉生徒会長は聞いてきた。


「それが、レクリエーションがあった時に綾杉生徒会長は「私の事を覚えてるか?」と聞いてきたじゃないですか?」


 そう、あの時綾杉生徒会長は慎二に「私を知らないか?」と聞いてきて「知らない」と答えたら思い出すまで生徒会を手伝う事を慎二に命じたのだ。


「ええ、言ったわよ……っまさか!思い出したの慎二君!?」


 いきなり鼻息を荒くして僕に詰め寄ってきた綾杉生徒会長には驚いた。


 けど、しっかりと思い出した事を伝えた。


「………という事があり、中学生の頃に綾杉生徒会長の事を助けていた事を思い出しまして今日伝えに来ました、それで……思い出したんで、もう生徒会の手伝いとかは来なくて大丈夫なのでしょうか?」


 慎二はそんな事を伝えた。


 別に生徒会の手伝いが嫌だとかでは無いが、「思い出すまでの期間手伝って」と言われていた為、念のため聞いてみた。


「そう、そんな事があったのね、でも思い出してくれて良かったわ……あの時はちゃんとお礼が言えなくてごめんなさいね?……生徒会の件はあの時思い出すまでと言ったから今後は大丈夫よ、でも他の皆が……かなり貴方の事気に入っちゃったみたいなのよ、私もなんだけどね!だから良ければ時間がある時で良いから今後も手伝って貰えると助かるわ」


 良かった〜あってたみたいだね、まあ今後暇な時ぐらいなら手伝いに来れるかな?


 ………なんか「他の皆が気に入った」って言った時、少し生徒会長の顔が怖かったけど今は普通だから気のせいだよね?


「わかりました、時間がある時また顔を出しにきますね!あ、あと「部活」の承諾の件もなんですけど、まだ顧問が決まってないから未定なんですけど「部活」を始めるって決まったら綾杉生徒会長の承諾のサイン頂けますか?」

「勿論よ、そんな物直ぐに持ってきてくれれば私が書いてあげるわよ!……それでね慎二君、この後少し時間貰えるかしら?せっかく久しぶりに2人になれたんだから……ね?」


 そう生徒会長が言うといきなり着ていたブレザーを脱ぎ出してラフなシャツ姿になった。


 書いてくれると言ってくれたのは良いけど、何か雰囲気がおかしくなってきたんだけど、それも何故かブレザーも脱いでるし、、


「ちょ、ちょっ!綾杉生徒会長どうしたんですか?」

「もう、慎二君本当はわかっているんでしょ?男女が密室に2人でいてやる事と言ったら一つしかないじゃ無い?……もしかして慎二君は焦らしプレイが好きなのかしら?」


 そう生徒会長は妖艶に言って舌舐めずりをしたと思ったら、詰め寄ってきた。


 えぇー!?本当にどういう事!ちょ、なんかこのままじゃヤバイ様な感じが…誰か……


 何か身の危険を慎二が感じてたら2人しか居ないはずの生徒会室に聞き覚えのある女子達の声が聞こえたと思ったら、扉が勢いよく開かれた。


『ちょっと待った!やっぱり何か如何わしい事しようとしていたわね!!』


 そんな事を言い、先に帰ったはずの他の生徒会のメンバーが室内に入ってきた。


「貴方達帰ったんじゃなかったの!?」


 生徒会長が他のメンバーにそんな事を言ってもただ冷たい目で見られるだけだった。


 何故か慎二もその目を向けられているが……


「麗華ちゃんと慎二君を2人っきりにするわけなでしょ?そんな事をしたら猛獣の折の中にチワワを入れるのと一緒じゃ無い?いつもは冷静な麗華ちゃんもこのチャンスを目の前にして私達に邪魔をされる事を考えられなかったみたいね」


 そんな事を由乃副会長が綾杉生徒会長に詰め寄って伝えていた、他のメンバーも綾杉生徒会長に口々と「抜け駆けは許しません!」と説教をしている様だ。


 助かったと思っていた慎二だが、今まで生徒会長に説教をしていた皆が慎二を取り囲み説教をし出した。


 その内容は「もうちょっと警戒心を持ちなさい!」や「無防備な姿を見せるから襲われる」など理不尽な事を言われる慎二だった、その説教は1時間ほど続き、その間正座をさせられていた慎二は地獄の様な時間だと感じていた。

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