万年補欠の下克上！！！（第3期）ー再転生した野球少年は底辺スキル「支援魔法」でメジャーリーグを駆け上がれ！

インディペンデンスデイ（独立記念日）

　7月４日（日）

　本日はアメリカの独立記念日。祝日である。日本と同じく明日は振替休日になるそうだ。ちなみに祝日が土曜日の場合は前日の金曜日が振替休日とか。いずれにしても子どもや学生たちは夏休み真っただ中である。

　昼頃にＭＬＢのコミッショナーから　7月13日に開催されるオールスターゲームのファンおよび選手間投票の結果が発表された。

　レイザースからはドンゴリア（三塁手）、クロスフォード（外野手）の二人が1位票で球宴当確。そして投手は選手間投票でブライス（現在11勝４敗）が１位に。

　ついでに月間個人表彰の発表もあり俺が5月に続き6月の月間最優秀新人賞に選ばれた。月間本塁打7本が評価されたのだ。個人的には5月は半月で６本だったのでいささか物足りなさはあるが。

　こちらはさておき独立記念日である。星条旗のデザインを落とし込んだキャップをかぶってのプレーになる。無駄にかっこいい！

　セレモニーの関係で試合前の打撃練習は中止になってしまった。

　ちなみにナイトゲームの場合はセレモニーの際には花火が打ちあがるそうだが、今日はデーゲームのため、空軍が飛行機を飛ばして星条旗と同じ赤青白の三色（トリコロール）のスモークを吐き出していた。多くの球場では開幕戦の時も空軍のデモンストレーションがあるらしい。「らしい」というのはレイザースがドーム球場だからだ。

　前世の俺は高校時代に「トップガン」という映画を観て戦闘機かっこいい！と思っていたので素直に感動。いやーお年玉でレイバンのティアドロップのサングラス買ったよねぇ。坊主頭だったから違う意味で迫力あったのは黒歴史だ。（昭和あるある）。妹に「お兄、まじでやめて！お腹痛いから！」と笑いながらマジギレされた……。

　本日は4番指名打者。先発投手はこちらがフィールズ。トワイライツは右腕のブラックビーン。彼はドラフト29位（全体857位）からメジャーに這い上がってきた苦労人である。まさに「下克上」。というか「一周目」でここまで来るのは正直称賛に値する。

　初回から先頭打者でジョアンが安打で出てロンゴが3塁打。あっけなく先制。俺の犠牲フライで加点。0対２としたがその裏にすぐにモレノのタイムリー2塁打で1点差。3回にジョアンの6号ソロ本塁打で再び3点差。

そして7回。1対３から連打と犠打をからめて1対４。ロンゴに適時打を打たれて１対5になり、俺の打席の前に左腕のダンチヒに投手交代。俺、両打ち（スイッチヒッター）なんですけど。

　俺が右打席に入るとアナウンスが「00（ダブルオー）」ではなく「無限大（ジ・アンリミテッド）」とアナウンス。本拠地以外では初めてかも。

　認められたのか、それとも煽られているのか、真意はわかりかねるけど。

シンカー、シンカー、スライダー、シンカー。すっかり見慣れたところで5球目もシンカー。さすがにこれは。レフトスタンドに15号２ラン本塁打をたたきこんだ。

　試合は４対８で勝利。明日からのボストン・レッドアックス戦に臨むことになる。ミネアポリスからセントピートまでは3時間強。時差の関係でついたら4時間後なんですけどね。

7月5日（月）

　連戦は続く。ホームにボストン・レッドアックスを迎えての3連戦。勝ち越せば地区2位へと再浮上するという大事なカードだ。先発は松阪さん。こちらはゲイザー。

　俺は4番指名打者。試合前にオールスターゲーム出場決定者と俺の月間最優秀新人賞のセレモニー。メジャー昇格だって一握りの選手なのにさらにオールスターゲーム選出というのはさらに狭き門。NPBの3試合もやるような「球宴」とは異なる。

　おそらく日本では「球宴」という言葉の「宴（うたげ）」という部分に光を当てていてアメリカではオールスターの「スター」というところに光が当たっているのだろう。

　「宴」なら何回あってもうれしいが「スター」と呼ばれる選手は「ほんの一握り」でなければならないのだ。

　だからNPBでは飲み会を断るかのごとく安易に出場を辞退する選手がいる一方、MLBでは「スター」であることに矜持（プライド）があるのだろう。

　俺は初回、松阪さんのシンカーと横スラ、縦スラのコンビネーションで三振。俺は「魔眼」で直前に投げられる球が見えているのであまり三振はしないのだが。見えていても打てない、これが大投手のベストピッチなのだろう……と勝手に思うことにする。

　３回の第2打席は縦スラだと思って振ったらフォークボールだったという２連続三振。

　試合は初回にこちらが先制したものの３，４回で5点とられて試合をひっくり返されていた。5回裏ドンゴの犠飛で1点返して２対5。二死一塁で俺に打順が回ってきた。