3話
━━ピリピリピリ
「…うるせぇ」
朝、けたたましく鳴り続ける着信音に俺は目を覚ました。何だよ…こちとら夜遅くまでルーニアちゃんの育成をしてたから寝不足なんだが…。こんな朝っぱらから非常識なことしてくるのは一体誰だ?少し文句を言ってや……あ。
スマホに表示された情報に俺は固まると同時に全てを理解した。画面には99件以上の学校からの着信履歴と12時45分の文字が表示されていたの。つまり…
「寝坊した…」
その事実に気付いた瞬間、俺はベットから飛び起き、急いで学校へ行く支度をする。今から行ったところで遅刻は確定しきっているが、俺は今まで遅刻はしても一回も学校をサボったことはないのだ。たとえ、反省文を書かされることが分かっていてもサボるわけには行かないんだっ。
支度を済ませ、昨日買っておいたジャムパンを咥えながら俺は学校へと急ぐのだった…。
◇ ◇ ◇
「疲れた…」
生徒指導室から下駄箱まで向かう途中、誰に聞かせるでもなく呟いた。あの後、学校に着いたは良いがやはり笑顔の担任から逃げることはできず反省文を書かされてしまった。
書き終わった頃には既に帰りのホームルームが終わっていたため、俺は教室に寄ることなく帰ることになった。…本当に俺、何のために学校に来たんだろうか…。そんなことを考えながら正門を出ようとして…
「あ、いました。小鳥遊さーん!」
後ろから聞こえてきたつい昨日聞いたような声に思わず足を止める。見回すと周りにいる生徒たちが驚いた顔で俺の後方を見ていた。
恐る恐る後ろを振り返ると、凄く笑顔の檜山がこちらに向かって駆け寄って来ているのが見えた。
「ふぅ、探しましたよ小鳥遊さん」
昨日のような素ではなく俺もよく知ってる聖女様モードで話しかけてくる檜山。なまじ素を知ってしまったから違和感が凄い。いやそれより…
「…なんで俺を探してたんだ?」
「小鳥遊さんに少し用事があったんです」
「…俺に?」
自分自身に指を指しながら確認すると檜山は「はい」と肯定した。…檜山が俺に用事?一体何だ…はっまさか昨日のセクハラの件で?!
「小鳥遊さん、今日この後暇ですか?」
「え?…まぁ暇だけど…」
「良かった、なら私と一緒に帰りませんか?」
「………は?」
………は?
檜山からの突然の提案に頭がフリーズする。え、なんで?
「昨日のことで少し話がしたくて…駄目…でしょうか」
「そう言うことなら喜んで」
正直断ってさっさと帰りたかったのだが、少し不安そうに上目遣いで聞いてくる檜山を見て思わず即答してしまった。
「そうですか!じゃあ行きましょう!」
「お、おう…」
満面の笑みを浮かべ、周りでフリーズする生徒たちを横目に歩き始める檜山を見て、俺も後を追うように歩き始める。
はぁ…どうしてこうなった?と、前を歩く檜山を見て俺はそう思うのだった…。
………後書き…………
見てくれてありがとうございました!作者です!
ちなみに、檜山は小鳥遊が朝来なかったことで、自分が巻き込んでしまったから何かあったのではないかとか考えてしまって気が気でなかったそうな。
あ、それと昨日の話も良いねしてくださった方々、本当に有難うございます!これからも頑張りますので応援よろしくお願いします!
コメントや良いね、フォローとかしてくれるとモチベが上がるのでよろしくお願いします!
明日も7時に投稿できたら投稿します~
隣の席の聖女様から何故か目が離せない~ネタ倉庫~ 紅月 デュアル @Dual_Benituki
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