中学校・バスケットボール

 僕は走っても速かったし、バスケをやってもやっぱり上手かった(ドン!)。

 僕が中学一年だった夏、三年生が最後の大会を終え引退した。

 秋。一年生による新人戦がやってくる。

 その日は新人戦に向け、一年生VS二年生の形で練習試合をしていた。

 試合中、僕はボールを持ってドリブルしている。

 先輩たちは、一年に負けるか、という感じでディフェンスでプレッシャーをかけてくる。他のチームメイトはしっかりマークにつかれてパスの出しどころがない。

 僕はこのころ、初めに行うシュート練習で、3ポイントシュートを重点的に練習していた。自分なりにコツを考えて、そこそこ入るようになっていた。

 僕のマークについている先輩は、僕のスピードを警戒して少し引き気味に守っていた。しめた、と思い、僕は間合いを計って3ポイントシュートを試みた。

「ああ!!」

 僕がシュートを放った瞬間、試合を観ていた顧問の先生が「何やってんだ!」と言いたげな叫びを上げた。うるせー、これは苦し紛れの無謀なシュートじゃない。勝算あってのシュートだ。ろくに練習も見にこない顧問は黙って見てろ。

 僕が放ったシュートは、綺麗に、とはいかなかったが、リングに当たりながらも無事ネットを揺らした。どうだ、結果で黙らせてやったぞ。まさか3ポイントシュートを決められるとは思っていなかった先輩たちは、口々に「マジかよ?」と驚きの呟きを漏らした。

「I君(僕のこと)、今の3ポイント?」

 得点係をしていたT君が楽しそうに訊いてきた。僕はニコニコとしてやったりの笑みを浮かべながらコクッと頷く。ちなみにこのT君は僕と誕生日が同じで、この後もう少し経つと毎日学校で何かしらの問題を起こすヤンキー一味のメイン構成員となる。僕の中学校は結構荒れていた。現在T君はどうなっているだろう?

 時を……話を戻そう。先輩相手にも引けをとらないプレイをする僕は、当然新人戦での活躍を期待された。

 だが前述の通り、僕は詰めの甘い男である。

 試合の前日に風邪をこじらせ、新人戦当日はまさかの家の布団の中で過ごすはめになったのだ。どうだ見たか?(何をだ?)

 いつもいつも人の期待を裏切る、別の意味で期待を裏切らない男である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る