泥まみれで完成まで駆け上がる

下から這って、這って、這いつくばって最後にブチ抜く物語。
踏んだかも分からない、足元で無惨に倒れていた雑草が、気付けば自分の喉元に切っ先を突き付けている。
才能という舞台が違う。立場も権威も何もかも違う。何度やられようと、死ななければ、折れなければ終わらない。愚直に、今更やめられないから、やりたいから、ひたすらに突き進む。その時は正解かどうか分からなくても、全てが終わって後から振り返る余裕が生まれれば、それが正解だから。
道中はしんどいです。救いはないです。序列は生存競争だから、差し伸べられるのは救いの手ではなく同情の視線だけ。惨めでも、恥ずかしくても、立つような主人公だから、至れる。
その姿は凄くかっこよくて、羨ましくて、アツいです。

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