第187話



ここのグループは倉敷さんと灯里かな?

二人の動きが違う、手馴れてる。 

……私なんかガードまで手が回らず攻撃受けちゃうけど、二人は最小限ガードを使って受け流したりしてダメージの蓄積を抑えている。

攻撃もちゃんと連続で決まってるしダメージが相手に蓄積されてる。

あ、倉敷さんが長谷川さんを攻撃して、ダメージがかなり溜まってたところに相良さんが投げたアイテムが当たった……。

……うん、倉敷さんが矛先を相良さんに変えた。 そこに灯里が参戦して……。

これ見てるだけでも楽しいね。


そんなことを思いながら見てたら時間切れになった。

結果は予想通り倉敷さんと灯里の勝ち抜けだ。


「あー倉敷さん強っ!! 私2回しか倒せなかったー」


そんなことを言いながら灯里がポテトを一つ回収してこっちにやって来た。


「お疲れさまー、灯里も強いね」


「このゲーム好きだからね、こんなに大勢でやる事なかったから……熱が入っちゃった、楽しいね」


ポテトを食べつつ晴れやかな表情を浮かべる灯里。

……そうだよね、大人になるにつれてこんなに大勢でゲームをするってなくなったもんね、と灯里に同意した。


「なら良かった、次は私の番だね、行ってくる」


「いってらっしゃい」


テレビの前へ移動しキャラクターを選択する。


さっきはピンクの丸いキャラだったから……次は何にしよう?


今度は緑の恐竜にしようかな?


新しいキャラクターを使用する気になれず昔からいるキャラに走る。

……いや、新しいキャラクターも面白そうだよ? あの箱に入って移動するやつ、私もやってみたかったよ? 技も気になるし、……だけど今から技覚えるには難しいんだもの。 

誰に弁解するでもなくそう心の中でつぶやく。


皆キャラを選び終えて決まったステージは下がマグマになっているステージだ。


3……2……1……




スタート


左から2番目の位置でスタート、同時に卵を投げてみた。

その隙に一番左っかわに居たごついキャラクターに攻撃された。

続けざまに攻撃されそうなのを除けて右へと逃げる。

追ってくるのを逃げたら、ごついキャラは私と入れ違いで左の方にいったキャラへ行ってしまった。


ほっと一息つき、目の前にいた電気を流し続けている黄色いネズミに攻撃を仕掛ける。


マ「ぬお?」


マッヘンさんだった。


桜「マッヘンさん、反対方向にやってみてください」


マ「反対方向? こうかの」


黄色いネズミは反対方向を剥きステージの中心に向かって電気を飛ばし始めた。

一段上の場所から放たれた電気は小さな丸になり、床に付くと半円を描き進んでいく。

私はその後ろで卵を投げてみる、電気を除けたら卵に当たる仕組みだ。

ん? 遠距離攻撃ならエスパーの子でも良かったな。


マ「お、当たったのう」


今左で戦ってるのが高梨さんと菅井さんのどちらかに当たったみたい。


桜「へいへーい」


マッヘンさんと一緒になって遠距離攻撃を仕掛ける。


地味にダメージが蓄積されていく。


菅「あーもう、うざい!!」


高「くらえ!!」


桜「ぎゃっ」


マ「ぬあ!!」


そんなことしてたら菅井さんと高梨さんに攻撃されてしまった。


私は飛ばされがてらさらに上に行き、下にステージがあるのを確認してからヒップアタックをした。


マ「桜!! 裏切りおったな!!」


そしたらその下に居たマッヘンさんに当たった。

マッヘンさんは場外に飛んでった。


桜「あははははは……」


ん?


なんかでっかいキャラクターが動……あわわわわ。


後ろのキャラが腕を左右に振ったらステージが左回転した。


桜「落ちる……落ちる!!」


マ「落ちた……」


菅「あ……」


私とマッヘンさんと高梨さんに叩き込まれた菅井さんが落下した。


桜「このステージ難しい……」


ステージに翻弄されてしまい私とマッヘンさんが負けてしまった。


最終結果は高梨さんの勝利。

負け残り組は、勝った人たちに比べて動きも悪く、技が沢山当たった。

なんなら攻撃しあうのではなく、皆で一斉にモンスター出したりして楽しんだ。


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