第181話
「今回も子供たちにお手伝いをお願いしたいんです」
「お手伝い? また果物の仕分けですか?」
「はい、お願いできますか?」
「金額は前回と一緒ですか?」
「一緒でお願いします。 それと今後定期的に仕分けのお手伝いをお願いしたいんです」
私とオリバー先生が話をするとオリバー先生の目がきらりと光った。
前回の手伝いの件を思い出したのかアレクたちの瞳も輝いた。
給料良かったもんね。
「また果物の加工するんスか?」
「お手伝いしましょうか?」
察しが良いね二人とも。
「それを含めて二人にも依頼があるんだ」
にこっと二人に笑いかけた。
二人にお願いしたのは私が冒険者ギルドに依頼した果物の受け取り、孤児院に配達、仕分け後の皮むきと一口サイズにカット。
孤児院では配達された果物の選別。 少し虫食いがあったり傷がある物はそのまま孤児院で消費してもらう。
そこら辺のさじ加減はオリバー先生にお任せだ。
毎日ある仕事じゃないので基本的に冒険者ギルドに果物が溜まったら、と、アレクとユリナの時間があるとき。
「暇なときってそんな都合よくていいんスか?」
「私たちに得しかないですが……」
アレクとユリナは待遇が良くて少々困惑気味。 いいよいいよ、お金が余ったら子供たちに何か買ってあげて。
と言うかそんなに頻繁に来てるくらいだから、子供たちに何か買ってあげてるのも分かるよ。
「そんなにすぐ貯まらないだろうしね。 お金は前回より少し手間が増えたから……どうしようっか?」
前回は1日あたり二人で金貨2枚だったよね?
今回どれくらい日数かかるか分からないよな。 うーん。
「前回は2日がかりで金貨3枚だったから……今回はじゃあ、月に2回回収してもらって2日で処理として一回当たり手間賃増やして二人で金貨6枚、ひと月で二人で12枚でどうかな?」
「12枚!?」
「い……いいんですか?!」
「うん、それと道具を支給するね。 これ果物を仕舞っておくためのアイテムボックスと洗浄の魔道具」
「へぁ!?」
「アアアアアイテムボックス?!」
魔法でお取り寄せしてユリナの手の上に置いた。
「時間停止機能も付いてるよ、採取の時に使っても良いし、あと使用者登録しておいてね」
「あああありがとうございます」
すげぇ……アイテムボックスだ。 本当にアイテムボックス……、とアレクとユリナはそれぞれ感想を述べてアイテムボックスに夢中になった。
使用者登録は相良さんが登録の仕方を教えてあげてた。
「と言う事は私たちも月に2回仕分けがあると言う事ですね」
「お願いできますか? オリバー先生」
「分かりました」
オリバー先生はいい笑顔で頷いてくれた。
「お金の受け渡しはどうしましょう? アレクとユリナは冒険者ギルドで精算できますが……」
「月に一回こちらに来て頂いて精算と言う形にしますか?」
「都度じゃなくていいんですか?」
「構いません」
「ありがとうございます。 では毎月月末に精算に来ますね。 じゃあさっそく今回の分果物お願いしてもいいですか?」
「もう準備されてたんですか? 分かりました」
オリバー先生に驚かれてしまった。 アレクたちや他の人がいっぱい取って来てくれて今回数多いんだもの。
「そうだ」
魔法でもう一つアイテムボックスと洗浄の魔道具を取り寄せる。
「こちらは仕分けをし終えた物を保管するのに使ってください」
「分かりました」
果物って傷みやすいからね。 仕分け終えたのはこれに入れて保存してもらおう。
アイテムボックスからアイテムボックスへ果物を移動しオリバー先生へ渡した。
これで果物の受け渡しの時間を気にしないですむね。
一応オリバー先生が手書きで契約書を作成してくれてそれにサインをして用事が済んだ。
もう一度冒険者ギルドに行き今度はアレクとユリナの指名依頼と果物の受け取り変更を済ませて別れた。
ちなみに私が捕まらないときは、冒険者ギルドにいる灯里に連絡してって頼んでおいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます