第151話
向かってる途中、緊張が緩んだマッヘンさんが建物の中に池があるぞ! 鋼、あれはなんじゃ? これはなんじゃ? と質問がすごかった。 エレベーターに載ったら載ったでこれはどうやって動いとるんじゃ? これが魔道具か? とボタン部分を解析しようとして倉敷さんに止められてた。 エレベーター分解されたらたまったもんじゃないよ!!
部屋のある階まで行き各々の部屋に別れる。 部屋に入る瞬間マッヘンさんがまた騒いでいて心の中で同じ部屋の二人にエールを送りつつ、夕食に待ち合わせして向かうまで自由時間となった。 集合場所は倉敷さんたちの部屋だ。
部屋に入ると広い玄関があり靴を脱ぎ畳の上を歩く。 入ってすぐ右の扉は洗面所とトイレになっていた。
玄関対面の扉は襖になっている。
その襖を開けると部屋は和洋室になっている。 襖を開けて左側はベッドルームになっていてツインベッドが置かれており、真ん中は和室、10畳ほどだ。 入って右を見る。
「わー……!!」
サロンとなっており、少し出窓っぽくなっている。 そのおかげで通常なら180度しか景色が見れないが240度くらいまで景色が観れるようになっている。 そこはゆったりとした布製の柔らかそうなソファーが置かれ、窓からは暖かな光とともに黄金色の風景が見れた。
「ここも良い!! ここでゴロゴロしよう!!」
ソファーに飛び乗ろうとした。
「……それよりもお風呂が先だよね? お風呂に入ってのんびりしよう!」
ふんふんと鼻歌を歌いながらクローゼットから浴衣を取る。 ……あ。
私の分の浴衣の隣に男性用の浴衣があった。 それとタオルと歯ブラシとかもか。
……入る前にマッヘンさん分の浴衣届けよう。
タオルの上に浴衣を置きその上に必要そうなアメニティを乗っけて倉敷さんたちの部屋の扉をノックした。
「はーい、あぁ、桜さんか。 どうしたの?」
扉をあけてくれたのは菅井さんだった。
奥の方からはマッヘンさんの、透、これはなんじゃ!! という声が聞こえてた。
「マッヘンさんの分のアメニティ届けに来ました」
「あー、ありがとう」
聞かなかったことにして扉を閉める。
さーお風呂に入ってゴロゴロするぞ!!
部屋に備え付けられてる露天風呂からは眺める風景は海とも山とも違った郷愁を感じさせるものだった。 カラッとした秋の涼しい風が心地よい。
「あー生き返るー」
体を洗いザブンと浸かる。
「……」
浴槽のヘリに腕を乗せその上に顎を乗せ景色を眺める。
遠くに走る車が見える。 空には小さな飛行機が飛んでいる。 そんな日常の風景をぼんやり眺めた。
異世界も良いけど日本の風景もやっぱり落ち着くなー。
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