第23話 女子会と灯里の家3


「えぐ」


「渡り人の魔法すごっ」


金貨3枚が銭貨1枚…とイリスさんが呟いている。


「え…っと…二人もいる?」


「「いる」」


二人分も出した。


「……これお酒とかはどうなの?」


「…試してみようか」


もしあげた物を買い戻してその価格で出せたらものすごいコストダウンになるじゃない。出し放題取り寄せ放題万歳じゃない!


試しに未開封のを灯里に渡して銭貨を渡してお酒を返してもらった。


そしてタブレットを見る。


「あー…だめだ。元のままだ」


「ちぇーそれじゃ気軽に頼めないね」


「もう登録されてるのがダメなのかな?」


「どうなんだろうね」


あ!っと灯里は何かを思い付いたのかタタタタっと席を外し何かを持って戻ってきた。


「これで試してみよう。桜ってこのポテチ買ったことある?」


「あるよ」


「じゃあ銭貨1枚頂戴」


「はい」


私は銭貨を灯里に渡し代わりにポテチを貰った。


そしてタブレットを見る。


「……ダメだー」


「やっぱり一度登録すると変えられないみたいだね。残念」


私と灯里がタブレットを見て唸ってると


「……とりあえず飲もう?」


イリスさんがリキュールの瓶を持ってソワソワしてた。


「そうだ!おつまみ!」


みんなにタブレットの居酒屋メニューを見せる。


「うわー鮭茶漬けお茶漬けたべたいぃぃい」


「なんて書いてあるか読めない」


テンションを上げる灯里に対しクイナさんとイリスさんはしょんぼりした。


「灯里は好きなの選んで。っとそうだ。こっちになさそうなメニューでお願い。皆でつまもう!」


「うわーこれはこれで悩む…お腹も結構いっぱいだしなぁ…うーむ…」


悩みに悩んで出した物は梅きゅうに長芋のたまり漬け、揚げ出し豆腐、ポテト、スモークサーモンのサラダ、トマトとアボカドとチーズの一口ピザ、軟骨の唐揚げを選んだ。デザートはまた後で悩むらしい。


「鍋もなぁ良かったんだよね」


お腹に入らない残念とこぼしてた。


「飲み物はこの前飲み干したカシス追加する?他に缶チューハイとかはいる?」


「いる!四人もいれば色々飲めるよね!クイナさんもイリスさんも強いよね!飲んでくれるよね!」


「バッチコーイ」


胸をドンと叩いてニコニコしているイリスさん。とてもノリノリだ。


「じゃあ白いサワーと白葡萄の酎ハイと桃とレモンと…えーい片っ端から出してやる!」


「わーい!!」


「全部違う味?絵柄が違う。えっこんなにあるの?どういうこと?」


クイナさんは種類の多さに面食らっている。


「とりあえず甘い系出したけど辛めのお酒が良かったらそっちもありますよ。度数強いのとか…は今日は良いか」


イリスさん、クイナさん、灯里とそれぞれどれを飲もうか選ぶのに夢中になっていた。


私は濃いめのレモンサワーにしておく。


クイナさんは桃のサワー、イリスさんはカシスリキュール、灯里は白いサワーを手に取った。


「イリスさん!それ割って飲むやつです!ジュースは何が良いですか?」


「え?そうなの?じゃあオススメで!」


コップとリキュールを受け取りコップに氷を入れカシスを注ぎ無難にオレンジを注いだ。


マドラーで混ぜてイリスさんへとコップを戻した。


私含めて三人は缶を開けてコップに注いだ。


「皆準備は良い?」


辺りを見渡し皆コップを持っているのを確認し


「「「「かんぱーい!」」」」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る