9月5日(木)

〈ハルト視点〉








俺はこの日朝6時前の電車に乗って

煌に会いに行った…





コンビニに入ると背中を向けてやる気のない声で

「いらっしゃいませ」と言い

おにぎりを手に持ち商品の補充をしているようだ






ハルト「客に尻向けたままかよ?笑」





アキラ「客じゃねーだろ?笑」






この前の…

バイト先に来た時の雰囲気とは違い

いつもの煌で安心した…






アキラ「今から帰るの?」





ハルト「いや、逆!

  今からコーヒー持って行くの!笑」





アキラ「今から?お姉さん休み?」





ハルト「いや、仕事だよ!ただ…サプライズ?笑

    ちょっとだけでも会おうかと思って」





アキラ「へぇ?笑 上手くいってるみたいだな?」





ハルト「・・・・ありがとな…アキラ…」






本当は今日…朝から電車に乗って来たのは

煌にこの言葉を言う為だった…




そして、煌も何となく分かってるみたいで

「なにが?笑」と笑いながら

おにぎりを棚に並べていっている






ハルト「お前からの誕生日プレゼント…

  ヒナ喜んでたから…来てくれて感謝してる」





アキラ「お姉さんは大人だからね…」





ハルト「泣き虫で甘えん坊だけどね?笑」





アキラ「確かに泣き虫は否定できないね…笑」






去年の冬の話をしているんだと分かり

俺も笑っていると「ただ…」と続けた…






アキラ「泣き虫でお前の前では甘えん坊でも…

  あのお姉さんは30歳の大人だって事は

  忘れない方がいいよ…」





ハルト「お前ヒナに年齢の事言うと怒るぞ?笑」





アキラ「・・・・あぁ…なんか怒ってたわ!笑」







ヒナが30歳の大人だなんて

最初から知ってる事だし

この時は気にもとめていなかった…






コーヒーと煌お勧めのドーナツを持って

ヒナに会いに行くと「え?」と驚きながらも

笑って食べていて俺たちは幸せなんだと思っていた





次の週明けにまた

自分の首の後ろに痕がついてるなんて

知らないままヒナと会って…笑っていて…





( ・・・・幸せなんだと思っていた… )






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