〈ハルト視点〉











アキラ「何かあってからじゃなくて

  何かある前に会いに行った方がいいよ」






( ・・・・何かって… )






煌が帰った後テーブルを拭きながら

煌の言っていた言葉の意味をずっと考えていた…






セイ「やっとの21歳もあと40分だな?」






成泉が時計を見ながらそう言って

煌のうどん皿を下げて行った…





時計に目を向けて「去年の今頃は…」と

呟きながら一年前あのバーで皆んなから

祝ってもらう為に集まっていた事を思い出した





 



ハルト「おねぇーさん一人??笑」





「・・・アンタ・・何処の子よ…」





ハルト「・・・あっ・・アンタ??」








俺は手に握っていた布巾を置いたまま

キッチンの店長の所へ向かった…






店長や皆んなに頭を下げて

俺は制服を脱ぐと直ぐに店を出てヒナに電話を

しようとスマホを取り出すと友樹から

メッセージが入っていた






ハルト「・・・・サンキュ…笑」






俺はヒナのいるバーへと走った…

タクシーを拾いたいけど週末だから全部

乗車中で「クソッ」と呟き

手を握りしめて全力で走った






アキラ「でもずっとお湯に浸かってると

  段々と伸びてくるんだよ… 」






俺が一緒にいないといけないのは

明日じゃなくて…今日なんだ…





ヒナと初めて出会った〝今日〟を

一緒にいなきゃ行けなかったんだ…





信号で止まる度にスマホで時間を確認し

間に合うかギリギリな距離をただひたすら走っていた





こんなに長距離を走るのは

高校生のマラソン以来で

心臓の音が耳にまで響いて聞こえている…





途中足がもつれて転びかけながら

バーのある路地へと入り扉を勢いよく引いた





俺はヒナの顔を見た瞬間

やっぱり会うのは今日だったんだと思った…

 




少し口を震わせて笑うのは

泣きそうになるのを我慢して笑う

アナタの癖だから…







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