8月18日(日)

〈陽菜乃視点〉







【新幹線乗った?】






ウサギから届いているメッセージに返信したのは

届いてから2時間以上経ってだった…






「・・・・はぁ…」






ウサギはバイト仲間に私の事を

話してはいないはずなのに…





アレをつけている相手は

ウサギに彼女がいる事を知っているような気がした…





多分あれは…私へのメッセージなんだろう…

友樹君やコンビニの彼の様に

余程近くで襟を引っ張らない限り見えない位置にあるし

ウサギのバイト先の制服は

首後ろはしっかりと作務衣で隠れているから…





だから、ウサギが服を脱いで肌を見せる相手に

見せたくて痕をつけているんだと思った…





( ・・・・どうもできないよね… )





簡易テーブルに置いているスマホが震え

メッセージ受信の通知を表記しているが

ウサギだろうと思いしばらく眺めてから

メッセージをひらいた…






【 バイト終わったら会いに行っていい? 】





「・・・・バイト…後… 」





ウサギが悪いわけじゃないのは

ちゃんと分かっているけれど…




バイト後のウサギと会うのは嫌だった…

また首の後ろに何かついているんじゃないかと

思ったら会うのが憂鬱になっていく…





( だから…早めに帰ったのに… )





あの日…金曜日のバイトの後に

皆んなでまた飲むと聞いたから慌てて

有給申請を出して地元に帰った…





私はウサギのメッセージに

【明日ゆっくり会えるわよ】

と返してスマホをバックの中へと入れ





停車した駅で、私の様に

帰省してトランクを引いている人たちを見ながら

またタメ息を溢して

「バイト仲間か…」と呟いた…







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