7月20日(土)

〈陽菜乃視点〉









日付けが変わったと同時にウサギから

【おめでとう】とメッセージが届いていて

裏かトイレで送ってきたんだろうなと思い

ウサギのそんな行動に笑が溢れた





今日は閉店後バイト先で店長が新作メニュー

の試食会をするからと皆んなで残って

飲んだりすると言っていたから

邪魔しちゃ悪いと思い直ぐにメールを終わらせて

明日着て行く服を眺めては笑うを繰り返していた





荷造りしたのを確認しながら

歯ブラシセットがないのに気がつき…





「ホテル?・・・キャンプ?」






泊まる場所を教えてくれないし

ホテルにあるあのなんとも言えない歯ブラシは

苦手だったから持って行こうと思い

財布を持ってから近所のコンビニへと向かった





( ・・・・いるかな… )





中を伺うように入っていくと

カウンターに店員の姿はなく…

アレっと思いながら店内をキョロキョロと見渡すと






アキラ「なに?なんかあった?」






店の外からコンビニのエプロンを着けて

入ってきた彼の手にはゴミ袋が握られていて

外のゴミ掃除をしていたんだと分かった






「あっ、歯ブラシを買いに…」





アキラ「歯ブラシ?あぁー明日の為のね?笑」





「そう…」






やっぱり面と向かうと苦手だと感じながら

ウサギはこの子とどんなテンションで話すんだろう

と少し不思議に思い衛生用品のコーナーに向かった






( ウサギの分もいるかな? )


 




自分のを手に取り悩んでいると

「ねぇ」と苦手な彼が隣りに並んできて

横の棚のマスクを手で触りながら

「なんか…ある?」と聞いてきた…







「・・・・えっ?」






アキラ「仕事とか…周りの目の事とか…陽兎の事とか…」






「・・・・キス…」






アキラ「え?」


 




「キス…マークって…」






T アキラ「あぁー!ハイハイ!笑

   陽兎が付けまくるから困ってる?」







9個も下の子になんて質問してるんだろうと思い

恥ずかしくなって顔をパッと下に下げた…

 






アキラ「好きだからつけたいんだよ…笑

  だからお姉さんもたまにでいいから

  また見えにくい所につけてやってよ?

  アイツ喜ぶから!笑」







そう言って「それでいいの?」と私の手にある

歯ブラシを手に取るとレジに歩いて行った…






アキラ「あっ!30歳おめでとう!笑」





「・・・・年はよけいよ…」






( ・・・・・・ )








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る