私のラビット君２

１月１４日

〈ジン視点〉

陽兎の彼女が

９歳年上のお姉さんだと言う事は

あっと言う間に広がり

式の前も後も噂は本当なのかと

陽兎に声をかけてくる同級生が多かった

女「ジン！ジンてば！ ！

　　 陽兎の彼女が２９歳ってホントなの？」

ｼﾞﾝ「みたいだね…笑」

女「知ってるんでしょ！？」

陽兎に直接聞けない子達は俺に聞いてくるけど…

その中には陽兎の元カノもいて

正直なんて言っていいのか困る…

女「・・・・どんな人？」

ｼﾞﾝ「会った事ないよ！笑」

まさか白玉みたいなぽっちゃり姉さんなんて

言えないし、目の前のスラっと長身の元カノを

見ながら余計に何でだと今でも思う…

( 顔が…めちゃくちゃ美人とか？ )

現に「なんでそんな年上と」と言っている彼女は

美人顔だし他の元カノも可愛いと言うよりもキレイ系だし…

陽兎はキツめの美人が好きなんだろう…

寝ぼけながら聞いた話は…

多少…陽兎の欲目もあるんだろうし…笑

ﾊﾙﾄ「ジン！写真一緒に撮って！」

陽兎がスマホを片手に近づいて来て

「おい撮って」と近くを歩いていたヤツに

スマホを渡すと俺の横に立って

これほどに無いって言う位に良い笑顔を向けている…

ﾊﾙﾄ「全身写して」

何の為の写真で、誰に送る写真なのかが分かり

俺も陽兎のスマホのレンズに最高の笑顔を向けた

撮った写真を確認して「いいね」と言いながら

スマホをいじる幼なじみの姿を見て

「たく…笑」と呆れた笑いがでるけれど…

こんなに誰かに夢中になれるのが羨ましくも思えた

あのお姉さんに出会ってからの陽兎は

いい意味で少し変わった気がするし

なんだか大人になった様にも見える

口の端がニッと上がっていて

子供みたいな顔をしてスマホを覗く陽兎に

「なんだよ」とお姉さんから

嬉しい返事でもきたのかと画面を覗くと…

ｼﾞﾝ「・・・・おいッ！何で俺の顔モザイクかけてんの！？」

ﾊﾙﾄ「勝手に覗くなよ！！」

ｼﾞﾝ「今のお姉さんに送ったやつだろうが

　 俺の顔！めっちゃいい笑顔でキメたのに！」

ﾊﾙﾄ「だからだよ！！人の彼女に送る写真で

　 何彼氏の横でキメ顔なんかしてんだよ！！」

陽兎は…

ぽっちゃり姉さんに夢中らしい…

・