〈陽菜乃視点〉








アパートに帰り着き荷物を降ろしてから

ウサギから渡された紙袋から長方形の箱を取り出した






「・・・・はぁー…もぅ… 」






自分の顔に手を当てて

数時間前の自分にショッピングセンターの階段で

なんて事をしているんだとタメ息を吐いた…




箱に目を向けてまた2週間会えないウサギに

別のタメ息が出そうになる…






「まさか、ウサギも買ってたなんて… 」







ハルト「荷物になっちゃうんだけど…

  コレも持って帰ってくれる?」






ウサギは1階にあるコインロッカーへと

私を連れて行くと箱の入った紙袋を渡してきて






ハルト「一応…今日がちゃんと付き合ってからの…

  初めてのデートだから…」






「・・・・え?」






ハルト「11月30日は特別だったけど…

  もう会えないと思ってたから何も買えなかったし…」





「・・・・・・」






ハルト「初デートの記念に?笑」








ウサギに会えば会うほど好きになり過ぎて

本当に怖くなってくる…

雑貨屋でグラスにしようと言っていたのは

ウサギが先にマグカップを買っていたからだった





箱の中からマグカップを取り出して見ると

お互いのイニシャルが入ったマグカップで…

少し…いや…かなりダサいデザインだった…





友樹君の言う通りウサギは

少し…センスがないらしい…





だけどそのセンスの無いマグカップが何故だか

素敵に見えてきている私もセンスが無いのかもしれない…






「フッ…ウサギが帰って来てから使い始めよ!」






マグカップとグラスは綺麗に洗われた後

ウサギが来る日まで食器棚に並んで飾られていた…









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