1月5日

〈陽菜乃視点〉








「・・・・裾が… 」





可愛いと思っても私の身長じゃ着こなせない

デザインが多く最近の子はスタイル良いのねと

周りにいる子達を見てタメ息が出る…






( 私の世代じゃこの位が普通だったんだけど… )






最近の子の普通は160前後らしい…

何食べたらそんなに伸びるのよと思い

前に友樹君がここのブランドは

私には無理だと言っていた事がよく分かった…





前に教えてもらったプチプラのブランドは…

一人で入る勇気もないしタグの部分がチクチクと

当たるのも気になり部屋でゆっくり過ごすなら

もう少し着心地いいのがいいと思って

色々見て回るけど中々いいのが見つからないでいた…





友樹君また現れてくれないかなと思い

グシャグシャなワゴンの中を適当に見ていたら

肩をポンポンと叩かれ、もしかしてと思い振り向いた






「ゆう…き…くんじゃなくて…」





ハルト「・・・・何それ…」






てっきり初売りセールのバイトに来ている

友樹君かと思い振り向いたら

いるはずのないウサギがいて驚いた…

そして友樹君と呼んだ事に

もの凄く不機嫌な顔をしている…






「・・・・どーしてここに?」





ハルト「先に友樹の説明してほしいんだけど」





「・・・・はーちゃん…」







怖いくらいに不機嫌顔のウサギの袖を掴んで

名前を呼んでも「早く」と言うウサギに

困りながら手を引いて売り場から離れ

お客さんの少ないおもちゃ売り場へと連れて行った





ウサギは売り場に並んでる恐竜の人形を触りながら

「で?」とコッチを見ないで聞いてきたから

11月のデート服を買いに来た時の話をすると

ウサギは唇をとんがらせだした…







「一人じゃ選べないから…また友樹君が

  手伝ってくれないかなぁーって思ってたら

  肩を叩かれて…てっきり…」






ハルト「・・・・分かったけど全然面白くないよ…

  友樹と一緒にご飯食べたわけ??」






「えっ…ハンバーガーね…」






ハルト「俺とだってまだデートしてない時でしょ!」






イカツイ顔の恐竜の人形を

私に向けながらそう言ってきて

唇は突き出たまま「せっかく来たのに」

とぶつぶつと文句を言っている…







「・・・・・・」







ウサギの今日の服装はなんだかいつもと違った…

いつもの大学生ぽい感じでもなく

あのデートをした日のような大人な格好でもなく…

まるで20代前半の社会人の男の子に見える…





変に背伸びしてるわけでもなく

日頃スーツ着てる子が休日ラフにしている感じで…





ウサギの手に自分の手を伸ばして

私から手を繋ぐとウサギは

驚いた顔をしていて固まっている…






「・・・・はーちゃんが…選んでくれる?」






帽子を被っているウサギの顔を

下から覗きこんでそう聞くと

繋いでいる手がギュッと握られて

「透けてて胸元開いたやつにしよう!笑」

と言ってお店の方に歩いて行くウサギの

後ろ姿を見て「エロウサギ」と呟いた





歩きながらなんでいるのかを尋ねると

「兄ちゃんと来たんだ!」と言うから「え?」と

驚いて周りをみるとウサギは「ここにはいないよ」と笑い出した







ハルト「兄ちゃんがじーちゃん達に新年の挨拶に行くって

    言うから乗せて来てもらったんだ!

    夕方には帰るからちょっとしかいれないんだけど

    ヒナと少しでも会いたくてね?笑」






「・・・・そうだったんだ…

  だからしつこく何時に行くのとか

  どこで買い物するのとかうるさかったのね…」






ハルト「しつこくて煩くて悪かったね?笑」






ウサギはそう言って少し握る手にグッと

力を入れて怒ってますよのアピールをしてきたけど…

一週間ぶりに会うウサギに嬉しくて

誰かに見られるかもという心配は全くなく

只々…楽しかった…






ハルト「ヒナにはスカート履いてほしいからな…」






「・・・・チビだから…合うのが少ないのよ… 」







ウサギに脚が短いと言われる前に

自分からポツリと伝えると

ウサギは笑いながら「白玉だからね」と

ニコニコと言い出し

何の話と聞いても教えてくれなかった…





( 何??アタシ太った?? )







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