〈ハルト視点〉










一昨日の電話で煌から

バーゲンの時に洋服買っとけよと言われ

煌もいないし仁は…なんか違うし…

兄ちゃんと一緒に行こうと思った





27歳の兄ちゃんの服装は…

なんて言うかサラリーマンぽくないし

俺でも着れる物があるかなと思い付いて来たけど

値段も前回、煌と買った店の物よりも安く

いいかなと見て回っていると





タツヤ「陽兎!コッチ来い!」





兄ちゃんに呼ばれて近づくと「コレ着てみろ」と

洋服を数着渡されて手に取って見てみると

シンプルな無地と柄物と有り

真っ黒な無地じゃなくていいのかなと

試着室で着替えてみると

柄が入っていても、いつもより少しだけ大人に見えた






タツヤ「どうだ?」






兄ちゃんの声が聞こえてカーテンを開けると

「いいじゃん」と言ってその手には

また別の服を数着握っている







ハルト「・・・・いくつに見える?」





タツヤ「・・・・22歳くらいか?」





ハルト「・・・・あーゆうの着たら?」







別のマネキンが来てる全身黒の服を指さしたら

「アレはイベント用だろ」と笑い出した






タツヤ「特別なデートならあれだが…

  あんな格好の奴と近くのコンビニや

  公園なんか歩いてたら目立つぞ?笑」






ハルト「そうなの!?」






タツヤ「ここぞの時は決めた方がいいが

  家でデートして近くのスーパーに買い物

  行く程度ならこの位の服の方がいいぞ」







そうゆうもんなのかと試着室の鏡に映る自分を

見てヒナと並んでスーパーを歩いている自分を

想像してみると大丈夫かなと思えてきた






タツヤ「心配ならホラ!帽子でも被れ!」






兄ちゃんが売り場からとってきた黒い帽子は

俺が持っている物よりもデザインもカッコよく

煌の言うシマッタ雰囲気になり気に入った…







ハルト「コレ買おうかな…」




 



タツヤ「雰囲気は分かったからもう試着はいいや!

  とりあえずソレとソレとあとコレだけ

  買ったら次の店に行くぞ!

  混んでるから早く着替えろよ」







カーテンを閉めて兄ちゃんの離れていく足音を

聞きながら「ん?」と気づいた…







ハルト「なんでデート服って… 」









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