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〈ハルト視点〉
新幹線を降りてタクシー乗り場へと向かうと
長蛇の列ができていてタメ息を吐きながらその列の
最後尾へと並んでスマホを取り出した
( ヒナは21時にならないと着かないし… )
一時間前から連絡が返ってこないから
寝てるのかなと思いながら俺もアクビを一つした…
昨日の夜は全く寝てないけど
朝から今までそんなに眠気もなく
昨日の事を思い出すと
口元が緩むばっかりだった
15日に帰省した日に直ぐに会いに行こうかなと
考えていると手にあるスマホが震え出し
画面を見ると兄ちゃんからの着信で…
ハルト「もしもし?」
タツヤ「着いたか?」
ハルト「うん、もしかして迎えに来てくれてる?笑」
タツヤ「西口のコインパーキングに停めてるから早く来い」
列から出て西口に向かいながら
タクシーの動きを見ると
俺の番が来るまで一時間以上は
かかりそうだなと思い
兄ちゃんが来てくれて助かったなと思った
車を見つけてトランクを引きながら
駆け寄ると車から降りてきた兄ちゃんが
車のトランクを開けて
荷物を「貸せ」と乗せてくれた
ハルト「タクシー並んでたから助かったよ!!」
タツヤ「夕方過ぎにじーちゃんから
迎えに行ってやれって連絡あったんだよ」
ハルト「そーなの? あっ!着いた連絡しなきゃ」
時計を見ると19時半でお風呂入ってるかなと
思いながら、ばーちゃんに電話をかけると
直ぐに繋がり無事に着いて兄ちゃんと一緒に帰って
いる事とお礼を伝えてから電話を切ると
隣りで兄ちゃんがずっと笑っている
ハルト「なに?笑」
タツヤ「いや…笑 お前じーちゃんと畑してるらしいな?」
ハルト「あっ、聞いたの?笑
俺の育てた野菜の写真見る??」
ルッコラとジャガイモと写真を見せると
「ホントに作ってんだな」と笑いながら
俺の右耳を見ている事に気づき
パッと右耳に手を当てると兄ちゃんは何も言わずに
「帰ったら直ぐ夕飯だぞ」とピアスの事は
何も言ってこなかった
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