147 その32 ~遠い地からの侵略 その20~
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- 軍勢を殲滅せし者。それは…神か悪魔か? -
どどどぉぉぉんんんっっっ!!!
どどどぉぉぉんんんっっっ!!!
どどどぉぉぉんんんっっっ!!!
ドドドドドドドドド・・・・!!
ドドドドドドドドド・・・・!!
法撃音と短い破裂音が飛び交う中、砲撃隊は立ち位置を細かく入れ替え、敵との相対位置を維持しながら撃ちまくっていた。無論、オーバーヒートを抑える為、少しづつ小隊員を休ませながらだ。風魔法で冷やせばいいという訳ではないので、法撃間隔もやや開けながらと工夫を凝らさなければいけないのだ。
「う~ん…ちょお~っと数が多いわねぇ…」
「本丸の部隊を回して貰えないかな?」
「あっちまで敵が行く余裕は無さそうだし…シスターズの方で連絡お願いできる?」
もう1体配備されているシスターズは上空に浮遊して戦域の状況確認とヤオに逐次状況を報せていた。無論、ヤオのヘッドギアには暗号通信の復号機能を付与する魔石が追加されていて何を報告されているか理解できる…という訳だ。
- ザックサイド -
「ふんふん…マスター!」
「どしたぁ?」
「ヤオさんたちから応援要請です!」
シャーリーから直接ザックに連絡を伝えられる。
「え?…ナルかレムにいえばいーじゃん?」
「どっち道マスターに判断を任されるでしょ?」
「…多分な」
ある程度は各自に判断を任せているが、シディ直衛の護衛砲撃隊を動かすとすると、最終判断は任される…と思う。
「んじゃあ…第3~6砲撃隊は現状維持で」
「ええ~!?…ヤオさんたちはそのままぁ?」
「もうちょっと待ってて貰えるかな?…って伝えてくれる?」
「え~…それってどれくらい?」
「そうだな…後20分くらい。それくらいはもちそうだろ?」
「多分…訊いてみる」
「うん」
・
・
『…あ、はい。多分大丈夫?…です』
「どうだ?…援軍は出して貰えそうか?」
「あはい…後20分くらい待てと」
「20分か…」
現在ヤオは休憩中だ。オーバーヒート寸前まで砲身が焼け付いていた為だが…一旦焼け付くと冷却まで時間が掛かる為と、限界まで魔力コアの魔力を使い切ると、こちらもまた…回復まで時間が掛かる為だ。
ごく…
「ふう、魔力カプセルも残り1つ…いや、さっき渡してしまったから無い…か」
通常、砲撃隊は艤装に依る法撃では自身の魔力は殆ど使用しない。が、防御の為の障壁を展開したり近接攻撃をする度に魔力を武器に浸透させる為に消費する。その為、ごろうちゃんは主兵装が斬艦刀の為、自身の魔力を真っ先に消耗する。艤装はその為に斬艦刀にも回せるようになっている為に法撃力が弱いという弱点もできてしまっているのだが…(所謂「趣味に走ったザックが悪い!」…ともw)
「…使います?」
シスターズは自身の口に合わせた小型の魔力カプセルを、おずおずと差し出すと…
「いや、問題は無い。それは自分のだろう?…取っといた方がいい」
と、やんわりと遠慮するヤオ。シスターズは暫く考えた後、
「ありがとう…ございます」
と、取り出した魔力カプセル(小)をアイテムボックスに戻すと…意を決して念話を再開する。
『再び具申申し上げます…至急応援を!…このままでは…後10分ももたないかも知れません!』
…と。
- シャーリー、シスターズの本気の念話を受諾する -
「…ねー、マスター?」
「ん?」
「ちょっとヤヴァイっぽい」
「マジ?」
「まじ」
「そっか…ちょっと待ってて」
「うん」
ザックの体から漏れ出る魔力の圧が…密度が増す。スクリーンを見上げていたナルとレムがこちらに気付き、凝視している。
「ま、マスター?」
「マスター…無理はしないように」
「あ、うん…もうすぐ終わるよ」
そしてそれから5分後…漏れ出ていた魔力は収まり…ザックの体からも僅かに光っていた魔力光が収まる。
「ちょっち疲れたかな…」
ストレージから
「ふぅ…じゃ、ちょっと上に出るね」
「…上?」
「あー、そうだな。レムとシャーリー、ちょっと付き添ってくれる?」
「「はい!」」
2人は喜んで!…とザックに付き添い、移動要塞「ラウンド・オブシディアン」の最頂上…天宮の間に出る。そこは東屋然とした数人が休める休憩所の中に
※反魔力場と風魔法を用いた飛行機械を創るのかも?w(既に巨大なシディで実現してるし、個人用の小型な物なら実現可能だろう!?)
ぐぃぃぃ~~~んんん・・・
「初めて来るけど、頂上ってこーなってたんだねぇ?」
シャーリーが大喜びの子供の如く、ぴょんぴょん跳ねて走り回っている。傍と気付くと、周辺警戒をしているシスターズがこちらを
どぢぃ~~~…
と見詰めていたw
「ど!」
「ど?」
「だ!?」
「だ?」
「………」
かぁ~~~っ!!!…と赤くなったシャーリーは、
「しゅ、周辺警戒は!?」
「…問題ありません」
「本当に!?」
「はい…向こう5km程は敵影ありません」
「砂漠の中はっ!?」
「…わかり辛いですが、変に高温や低温の物体は居ないようです」
「砂と同じ体温になっているかもよっ!?」
「はい…その可能性もあると思ったので、探知魔法も併用してスキャンしてますが、概ね問題は無いようです」
どうやら探知魔法の魔法を組み込んだ特殊個体のようだった。シャーリーも地上でなら風魔法の応用で探知魔法と同等の探知は可能だが…流石に地下は適用範囲外だからなぁ…
「なら善し!…警戒に戻って!」
「了解しました。では…」
と、クールに去って行った。今度、彼女には名前でも付けてあげようかな?…と思いつつ、肩をポンポンと軽く叩いて慰めてあげる。勿論、子供の大きさ(僕よりはまだ小さいけどね?)になったシャーリーの肩をだ。
「うわぁ~ん!…マスター!マスターマスターマスタああああっ!!!」
と、何故か感極まったのか泣き出すシャーリー。いや、別に捨てたりしないぞ?…と先回りして考えたりしているが、レムを見ると
(すまないが…先にやることをやってくれ)
と想いが伝わって来たので、レムにシャーリーを任せ…って、おい!…服を掴んだまま離れないんだけど!…あ
びりぃっ!
袖が破けました…はぁ。
「ま゛ずだぁ゛~~~!!!」
「はいはいシャーリー。少ししたら抱かせてあげるから我慢して?」
と、レムの説得に嗚咽をしながら「う゛ん゛…がま゛ん゛ずる゛…」とえぐっていた…むう、優秀な部下に僕を取られそうと思ったんだろうか?…謎だ…っていうか抱かせるって何っ!?
と、取り敢えず余計な思考は横に放置…できればシディの傾斜に転がって落ちていって欲しい…(苦笑)
・
・
「じゃ行くよ…召喚!」
ずずずずずずず・・・・・
巨大な魔方陣が現れる。所謂召喚用の魔法陣となる。
そして、魔方陣の真上…僅かな隙間を空けて、その身がせり出してくる…
ずずずずずずず・・・・・
頭頂…頭全体…首から肩上…胸…腹…腰から太もも…そしてふくらはぎから足底まで…全容を表すまでたっぷり1分は掛ったが、次回は数秒と掛からないだろう。
「シディと同じ?」
「真っ黒ね」
「まぁ、デザインとか考えると…面倒だし」
一応、甲冑姿の武人を考えていたのだが、細かい部分は思い出せなかったのもある。特徴らしい特徴は全部が漆黒の黒。そして目に当たる部分に深紅の光。兜の頭頂部が突起になっていて、よくある目立つ兜っぽい。本来なら羽毛で飾るのだけど飾り気の無いデザインとなってしまっているが。
「武器は?」
「乗り込む人の武器を巨大化させて反映させる」
「「は?」」
「でも、壊されると元の武器が破壊される…ってことはないから安心して?」
「いや…乗り込むって?」
「あぁ…これ、搭乗型のゴーレムだから」
「「…」」
理解できないとフリーズするレムとシャーリー。
「あ~…じゃあ、一応これ、3人まで乗れるから乗ってみる?」
こくこくと首肯する2人に、苦笑いのザックは
「じゃ、手を」
というので両手に花状態になるザック。
「搭乗」
ぼそっと呟くと、トラクタービームライクな光が巨大ゴーレムから浴びせられ…3人は漆黒の巨大ゴーレムに一瞬で乗り込むのだった…!
「これは…」
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コ●ーはMITA!
備考:ネタが古過ぎDEATH!!
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